情報確認日:2026年10月13日
実家の境界が分からないときは、古い測量図や境界確認の書類を探し、土地家屋調査士へ相談するところから始めます。隣地との話合いが進まない場合には、法務局の「筆界特定制度」を使えることがあります。
ただし、筆界特定が明らかにするのは、土地が登記された際の公の区切りです。「その場所はどちらの所有物か」という争いをすべて決める制度ではありません。
塀や生け垣が、そのまま境界とは限らない
法務省は、土地が登記された際に範囲を区画する線を「筆界」と説明しています。一方、所有権の範囲を示す線を指して「境界」と呼ぶ場合もあります。二つは一致することが多いものの、異なる場合があります。法務省・筆界特定制度
古い塀、側溝、植木の位置だけを見て、土地の端を断定しないようにしましょう。親が話していた位置も大切な手掛かりですが、それだけで書類や測量の代わりにはなりません。
境界標が見つからない場合は、家族が勝手に打ち直したり移したりせず、見える範囲を写真に残します。隣地へ無断で入って探さず、調査の進め方を専門家へ相談してください。
自宅の書類と法務局の資料をそろえる
実家の書類箱には、購入時の契約書、測量図、隣地との確認書などが残っている場合があります。法務局の登記資料と合わせ、いつのどの図面かを確認します。
| 資料 | 分かること・確かめること |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 地番、地積、名義など |
| 地図・公図 | 周囲の土地との位置関係 |
| 地積測量図 | 登記に用いられた測量の情報 |
| 境界確認書・過去の測量図 | 隣地との確認経過 |
| 現地写真 | 境界標や塀などの現況 |
法務省は、分筆や地積更正の登記では筆界を明らかにする必要があり、通常は土地家屋調査士へ業務を依頼すると説明しています。隣の土地の所有者が分からない場合の案内
資料が古い、図面が複数ある、現地と合わないときも、家族が正しいものを推測して捨てず、全部見せて判断してもらいます。
話合いで進まない筆界は、法務局へ相談できる
筆界特定制度は、土地の登記名義人やその相続人などの申請に基づき、筆界特定登記官が専門家の意見や調査を踏まえて筆界の位置を明らかにするものです。
新たに隣家と好きな線を決める制度ではなく、もともと存在する筆界を調べます。隣人が立会いに協力しない場合や、筆界の認識が違う場合にも、利用の可否を相談できます。
相談先は、土地を担当する法務局・地方法務局です。相続登記の前に相談する人は、登記名義人との相続関係を伝え、申請できる立場を示す資料を確認してください。
所有権の争いと費用は、別に見通しを立てる
東京法務局は、紛争の内容が所有権の境界である場合もあるため、法務局、弁護士、土地家屋調査士等への相談を案内しています。筆界特定のよくある質問
隣家の建物が越境している、長年使ってきた部分の所有を主張されているなどの事情は、筆界を示すだけで解決できるとは限りません。具体的な主張や書類を弁護士にも伝えます。
筆界特定には申請手数料のほか、必要な測量などの費用がかかる場合があります。金額は土地や調査内容で変わるため、全国一律の相場として決めず、依頼範囲と追加費用が生じる条件を聞いてください。
売却する場合は、境界の未解決点を先に伝える
売却を頼む不動産会社には、どの境界が分からないか、隣地との話合いがどこまで進んでいるかを伝えます。調査が終わっていない段階で「境界確定済み」と説明しないようにしてください。
売買の契約前には、測量や境界確認を誰がどこまで行うのか、費用負担、未解決だった場合の扱い、引渡し時期への影響を確認します。境界資料の不足だけで売却の可否を一律に決めず、契約条件を含めて検討します。
家族が保管する記録は、資料の一覧、相談日、依頼内容、隣地とのやり取りです。結論が出たら新旧の図面が混ざらないよう整理し、登記や売買に使った最終の書類を残しましょう。
参照資料(2026年10月13日確認):法務省・筆界特定、分筆等と隣地所有者不明、東京法務局Q&A。
