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親が相続人の廃除を望むとき|虐待等の要件・本人の申立て・遺言との関係

情報確認日:2026年10月15日

遺留分を持つ推定相続人から虐待や重大な侮辱を受けた場合など、法定の理由がある親は、家庭裁判所へ相続人の「廃除」を請求できます。認められると、その人は相続権を失います。家族の不仲や「遺言に名前を書かない」ということだけで、相続権が消えるわけではありません。生前は親本人が請求し、遺言で廃除の意思を示した場合は、死後に遺言執行者が家裁へ請求します。

廃除は、本人が家庭裁判所に求める制度

推定相続人とは、その時点で相続が始まれば相続人になる人のことです。そのうち遺留分を持つ人が、廃除の対象になります。

現行民法892条が挙げるのは、親本人への虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行です。親と子の考え方が違う、連絡が少ないといった情報だけで、要件を満たすと決めることはできません。

家族が「この兄弟には相続させたくない」と思っていても、他の相続人として自分の意思で親の廃除を請求する制度ではありません。親の希望と、周囲の家族の希望を分けて整理してください。

廃除は、遺産の配分方法だけでなく、相続人の資格を失わせる手続きです。遺言の作成、遺留分を侵害した場合の金銭請求、本人が自ら相続しない相続放棄とは、目的も申立人も違います。

遺留分を持たない兄弟姉妹は対象にならない

民法1042条では、兄弟姉妹以外の相続人に遺留分を認めています。親の子、配偶者、相続順位に従って相続人となる直系尊属などは検討の対象ですが、兄弟姉妹は遺留分を持たないため、廃除の対象ではありません。

「相続させたくない人は全員廃除する」と考えず、まず現在の家族関係と相続順位を確認してください。対象にならない人について財産の配分を決めたい場合は、遺言など別の方法を法律専門家へ相談します。

また、廃除された子に子どもがいる場合、民法887条の条件に従って代襲相続が起こることがあります。親の子が廃除されたから、その系統の孫もすべて相続できないと決めつけないことが大切です。

生前の申立てで用意するもの

生前に申し立てる家裁は、親本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。申立書のほか、親の戸籍、廃除を求める推定相続人の戸籍、廃除の原因を示す資料などを用意します。

名古屋家庭裁判所の手続資料にも、この区分が示されています。資料の種類や追加書類は、申立先の家裁へ確認してください。

家族が資料の整理を手伝う場合は、いつ、どこで、誰が、何をしたかを時系列にします。親が実際に話したこと、家族が直接見たこと、第三者から聞いたことを区別し、医療記録や連絡記録など手元の資料との関係を整理します。

本人のために事実を分かりやすくする作業と、家族が親の意思を作り上げることは別です。強い感情がある場合ほど、評価の言葉だけを並べず、確認できる事実を法律専門家に見てもらいましょう。

親の判断能力や代理の扱いに不安がある場合は、家族が本人名義で勝手に申立書を作って提出する前に、家裁や弁護士へ適法な手続きを確認してください。廃除の希望を示せるかどうかも、本人の状態と分けて検討します。

遺言で意思を示す場合は、死後の請求が必要

民法893条では、親が遺言で廃除の意思を示したとき、遺言執行者が遺言の効力発生後、遅滞なく家裁へ請求することを定めています。廃除が認められた場合の効力は、親の死亡時にさかのぼります。

手続きの時期 請求をする人 家裁の管轄
親の生前 親本人 親の住所地
遺言に基づく死後 遺言執行者 相続が開始した地

死後の申立てでは、死亡の記載がある戸籍、遺言書の写しや検認調書の写し、家裁が選任した遺言執行者なら選任の審判書などが関係します。遺言に意思が書かれていることを、家裁での手続きが済んだことと同一視しないでください。

遺言を準備する段階から、執行者、廃除を求める理由の記録、必要な証拠の保管を相談すると、死後に誰が何をするのかを明確にできます。

家庭裁判所は、相手の話も聴く

家事事件手続法188条では、申立てが不適法、または理由がないことが明らかな場合などを除き、廃除を求められた推定相続人の陳述を審問で聴くとしています。申立人の説明だけを受け取り、自動で認める制度ではありません。

暴力などで親の安全が脅かされている場合、廃除の審理を待つだけでは安全を確保できません。身の危険には警察・救急、高齢者への虐待の疑いには市区町村の担当窓口へ相談し、相続の手続きとは別に安全を守ってください。

費用・確定後の届出・取消し

名古屋家裁の掲載資料では、廃除を求める推定相続人1人につき収入印紙800円と、郵便料を示しています。郵便料は提出先の家裁で確認してください。戸籍取得費や弁護士費用は別です。

廃除の裁判が確定した場合、戸籍法63条・97条に基づき、請求した人は確定日から10日以内に、裁判の謄本を添えて届け出る必要があります。確定証明書など窓口が求める書類を確認し、家裁の手続きと戸籍への届出を分けて進めます。

親は、廃除の取消しをいつでも家裁へ請求できます。遺言による取消しにも、執行者の請求についての規定が適用されます。親の意思が変わったときは、家族の話合いだけで廃除を取り消した扱いにせず、正式な手続きへつなげてください。

参照資料

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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

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