本文へ移動

親の遺言で遺贈を受けたくないとき|特定・包括の違いと放棄の手続き

情報確認日:2026年10月15日

遺言で指定された財産の受取りは放棄できます。ただし、特定の家や預金をもらう「特定遺贈」と、遺産の全部・一定割合をもらう「包括遺贈」では、期限と手続きが違います。包括遺贈では原則として、自己のために包括遺贈があったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述します。受け取りたくない財産を売ったり使ったりする前に、遺言の原文を持って相談してください。

最初に「何を、どの形でもらうか」を確認する

「実家を長女に遺贈する」と「全財産の2分の1を長女に遺贈する」では、扱う制度が異なります。前者は財産を特定する遺贈、後者は割合による包括遺贈の典型例です。これは文言の説明例で、実際の遺言の解釈を確定するものではありません。

「相続させる」という記載、複数の遺贈、負担の付いた指定などもあるため、「遺言に名前があったから全部同じ放棄」とは判断しません。原本または内容を確認できる写し、作成日、遺言執行者の指定をそろえます。

自分が法定相続人でもある場合は、その資格による相続と遺贈を分けて確認します。実家の遺贈を断ったことだけで、相続人として承継する借金までなくなるとは限りません。

特定遺贈は、放棄する意思を相手へ示す

民法986条・987条は、遺贈の放棄と、承認・放棄を求める催告を定めています。特定遺贈の放棄は通常、家庭裁判所への相続放棄の申述ではなく、履行をする義務のある相続人等へ意思表示する方法で進めます。遺言執行者がいる場合は、その役割と通知先も確認します。

同条の「いつでも」という記載から、返事を求められても放置してよいとは考えないでください。利害関係人等から相当の期間を定めて催告され、期間内に遺贈義務者へ意思を示さない場合は、承認したとみなされます。

通知する相手、対象の遺言・財産、放棄する意思を明確にし、届いた記録を残す方法を弁護士へ相談します。家族一人へ口頭で「いらない」と言っただけで、必要な通知が完了したと判断しないようにします。

包括遺贈は、家庭裁判所への手続きを急ぐ

民法990条では、包括受遺者は相続人と同じ権利義務を持ちます。財産だけでなく債務も関わるため、放棄は相続放棄に関する規定に従って進めます。「家だけいらないが、預金は受け取る」という選り分けと同じではありません。

民法915条・938条により、原則3か月の期間と家庭裁判所への申述が問題になります。死亡日、遺言を知った日、自分への包括遺贈を知った日を別々に記録し、起算日を法律相談で確かめてください。

裁判所の相続放棄案内では、申述先は亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所、費用は1人につき収入印紙800円と郵便料です。包括遺贈の放棄であることを伝え、遺言書や戸籍など、必要な資料と書式を申述先に確認します。専門家へ依頼する報酬は別です。

調査が終わらない場合も、3か月を放置しない

財産や債務を調べても判断できない場合は、期間内に熟慮期間の伸長を検討します。調査中、家族と相談中というだけで期間が延びるわけではありません。

既に3か月が過ぎている場合も、日付を都合よく書き換えず、知った経緯、届いた資料、期間中の行動を示して直ちに相談します。遺産を処分した場合などは、単純承認と扱われる可能性にも確認が必要です。

相談に持っていくもの 確認する内容
遺言書一式 特定・包括、条件、執行者の指定
日付の記録 死亡、遺言の発見、自分への指定を知った時
財産・債務の資料 家の管理費、残高、借入れ、請求書
これまでの行動 払戻し、売却、名義変更、家族への通知
催告や連絡 回答期限、送り主、受け取った日

放棄後の撤回と、財産の管理も確認する

民法989条は、遺贈の承認・放棄を原則として撤回できないとしています。詐欺等による取消しは別の条件の問題なので、「後で気が変わったら戻せる」という前提で通知や申述をしません。

放棄後、その財産を誰が取得し、鍵・書類・現物を誰に引き渡すかも確認します。管理費の請求が届いた場合は、放棄の通知・受理記録を示し、請求の根拠を問い合わせてください。放棄したことを理由に、家財を無断で廃棄したり危険な建物をそのままにしたりせず、残る管理上の義務と引渡しを専門家へ相談します。

参照資料

あわせて読みたい記事

執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

ほかの記事を探す
ホームで目的から探す →
タイトルとURLをコピーしました