情報確認日:2026年10月14日
内縁の相手が亡くなっても、親は日本の民法上の相続人にはなりません。ただし、相続人がいないことが確定し、清算後に財産が残る場合、共同生活や療養看護等の特別な関係を示して、家庭裁判所へ財産分与を申し立てる経路があります。期限は死亡から3か月ではなく、相続人を捜す公告期間の満了後3か月以内です。
内縁だったことだけで、残った財産を全部受け取れるわけではありません。家庭裁判所が関係の内容と財産等を審理し、分与するか、どの範囲を分与するかを判断します。
相続人がいる場合とは手続きが違う
法律上の配偶者と内縁の相手は、相続の扱いが異なります。国税庁の相続人の説明も、内縁関係の人を相続人に含めていません。長年の同居や、介護をしたことによって自動的に相続人になるものではありません。
亡くなった相手に子、父母・祖父母、兄弟姉妹や代襲する人などがいないかを確認します。家族が交流していない人でも相続人の場合があります。「身寄りがないと言っていた」という話だけで、親が預金を引き出したり不動産を処分したりしないでください。
遺言で親への遺贈がある場合、親名義の共有持分がある場合、親が貸したお金を返してもらう場合などは、特別縁故者の分与とは別の権利・手続きになります。手元の遺言、登記、貸借の資料を法律相談に持参し、何を請求するかを分けます。
相続財産の清算と、分与の順番
相続人の存否が不明な場合、家庭裁判所が相続財産清算人を選び、相続人を捜す公告を6か月以上の期間で行います。清算人は債権者等への対応と財産の清算を進めます。
相続人捜索の公告の期間内に、相続人である権利を主張する人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。特別縁故者は、公告期間の満了後3か月以内に財産分与を申し立てます。借金等の清算後に残る財産が、分与の対象です。
| 段階 | 親・家族が確認すること |
|---|---|
| 清算人の選任前 | 既に申立てがあるか、遺言・相続人・財産の情報 |
| 清算人が選ばれた後 | 清算人の連絡先、相続人捜索公告の満了日 |
| 公告期間満了後 | 3か月以内の分与申立てと必要資料 |
| 審判後 | 分与の内容と、清算人から引き継ぐ方法 |
清算人を選ぶ申立てと、親への財産分与の申立ては別です。清算人が選ばれているだけでは分与請求まで済んだことになりません。裁判所の現行Q&Aは、公告の順番と分与申立てを説明しています。
同じ生活、看護などの関係を資料で示す
申立てができる人は、亡くなった人と生計を同じくしていた人、療養看護に努めた人、その他特別の縁故があった人です。内縁の親は、共同生活の期間と実情、療養中の世話等を具体的に説明します。
「長い付き合いだった」とだけ書くより、いつから同居し、生活費をどう分担し、どの期間にどのような世話をしたかを、確認できる記録に沿って整理します。提出資料の例として、住所や同居を示す資料、生活費・立替金の記録、通院や入院の支援記録、本人とのやり取り、事情を知る人の情報等を検討します。
どの資料が必要かは裁判所の案内に沿って確認します。家族の記憶と支出の記録が食い違う場合は、推測で埋めず、分かる部分と分からない部分を分けてください。
2025年7月版の裁判所の申立事情説明書の記入例は、共同生活、看護、援助、死亡後の対応、費用負担と資料の番号を整理する形式です。記入例の家族や金額を自分の事情として転記せず、親が実際に行ったことを書きます。
申立先、費用、基本書類
申立先は、亡くなった相手の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。現在の親の住所だけで提出先を決めません。
分与の申立てに必要な費用は、収入印紙800円と、連絡用の郵便料です。郵便料は裁判所ごとに異なり、保管金で納める方法もあります。申立書と、親本人の住民票または戸籍の附票が標準的な書類で、審理に応じた追加書類も求められます。裁判所の申立案内で最新の様式と費用を確認します。
800円は分与申立ての印紙額で、清算人の選任・公告・報酬や、弁護士への依頼等を含む総費用ではありません。清算人の報酬は通常相続財産から支払いますが、財産が少ない場合、申立人が報酬相当額を裁判所に納める場合があります。選任から必要な人は、別手続きの費用と予納金も事前に尋ねます。
家族は、親の申立てをどう支えるか
親が受け取るための申立てなので、親本人の意向を確認します。子どもは資料整理や問い合わせを手伝えますが、自分の名前で親の分与を当然に請求できるわけではありません。
親が病気や認知機能の低下で手続きを進めにくい場合、代理人を使える範囲、成年後見人等の権限、必要な資料を法律相談と裁判所へ確認します。家族が本人に代わって、事実を確認しないまま申立書へ署名することは避けてください。
申立て後は、裁判所の照会や追加資料の依頼に対応します。共同生活の期間、看護の内容、援助と財産の関係等を確認されることがあるので、提出資料の控えをまとめておきます。申立てが認められる割合や金額は、個別判断であり、記事の例から見積もることはできません。
3か月の開始日を清算人に確認する
公告の満了日は、官報を確認するか、相続財産清算人へ問い合わせます。家族が死亡を知った日、清算人の選任日、債権者向け公告の満了日を、分与の期限の起算と混同しないでください。
申立てを検討する段階で、清算人の事件番号・連絡先と、相続人捜索の公告満了日を控え、家庭裁判所へ書類と提出方法を尋ねます。期限までにどう準備するかは弁護士等へ相談できますが、裁判所の手続案内が「必ず分与される」という見通しを出すものではありません。親の意思、期限、関係を示す資料を先にそろえることが重要です。
参照した公式資料
あわせて読みたい記事
執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT
