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親が遺言を撤回・書き直したいとき|新しい遺言と保管返還・古い謄本の扱い

情報確認日:2026年10月15日

親が遺言を取り消したいときは、本人が適法な遺言の方式で、前の遺言の全部または一部を撤回できます。新しい遺言を書いただけなら、古い遺言が消えるのは内容が抵触する部分です。法務局から保管中の遺言書を返してもらう手続きや、公正証書の謄本を処分することとは、分けて考えてください。

「全部をやめる」のか「一部を変える」のかを本人が決める

民法1022条は、遺言者がいつでも遺言の方式に従って全部・一部を撤回できると定めています。受け取る予定の家族の同意は、撤回の条件ではありません。遺言を撤回する権利を放棄する約束もできません。

まず親本人に、前の遺言を全部やめたいのか、特定の財産や受取人だけ変えたいのかを確認します。家族は財産資料や前の遺言の写しをそろえる手伝いはできますが、親に代わって遺言内容を決めたり、本人の遺言として署名したりはできません。

入院中や認知症の診断がある場合も、本人がその内容を理解して意思を示せるかが問題になります。「家族が同意したので本人に代わって撤回する」という進め方はせず、公証人や弁護士に本人の状態と希望を伝えて相談してください。

新しい遺言は、古いものの抵触部分だけを撤回する

民法1023条では、前後の遺言が抵触したときは、後の遺言でその抵触部分を撤回したものとみなします。民法の現行条文

例えば、前の遺言に「自宅は長男、預金は長女」とあり、後の遺言で自宅の受取人だけを変えた場合、預金の指定まで当然になくなるとは限りません。前の内容を全部撤回したいなら、その意思が明確になる遺言を作成し、全体のつながりを専門家に確認してもらうとよいでしょう。

新しい遺言の種類は、前と同じである必要はありません。公正証書遺言を、適法な自筆証書遺言で撤回することもできます。ただし自筆なら自書・日付・署名・押印などの方式を守る必要があります。家族間の口約束や、方式を満たさないメモだけに頼らないでください。日本公証人連合会の撤回・変更案内

法務局の「保管の撤回」は、預けるのをやめる手続き

法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合、本人は保管の申請を撤回し、原本を返してもらえます。しかし、返却を受けただけでは遺言の効力は変わりません。

「法務局から持ち帰ったので無効になった」と考えて、そのまま自宅に置いておくと、死後に有効な遺言として見つかる可能性があります。内容も撤回するのか、修正して再び保管するのかを、別に決める必要があります。法務省の遺言者手続き・保管の撤回

返却の手順は次のとおりです。

  1. 保管証で、原本が置かれている遺言書保管所を確認します。
  2. 公式様式の撤回書を作成します。
  3. その保管所の来庁予約を取ります。
  4. 親本人が、撤回書と有効な顔写真付き公的本人確認書類を持参します。
  5. 氏名・住所等が変わり、まだ変更届を出していない場合は、変更を証明する書面も用意します。

返却の手続きができるのは原本を保管する保管所だけで、家族や代理人による撤回はできません。転居先の近くの法務局で済ませられるとは限らないため、移動が難しいときは先に連絡してください。

保管の撤回の手数料は無料です。最初に払った保管手数料は返りません。修正後の遺言を改めて保管する場合は、新たな保管申請として1通3,900円がかかります。法務省の手数料一覧

公正証書の謄本を破棄しても、原本は残る

公正証書遺言は、手元の正本・謄本を捨てただけで撤回した扱いにはなりません。公証役場に保管される原本や、電子的に作成された原本の記録と、本人が持つ写しは別です。内容を撤回・変更する新しい遺言について、公証役場へ相談してください。公正証書原本の保管の説明

民法1024条には、遺言者が故意に遺言書を破棄したとき、その破棄部分を撤回したものとみなす規定もあります。ただし、家族が勝手に破った場合、原本と写しが複数ある場合、どこまで撤回したかが争われる場合まで、一律に解決するものではありません。

紛争を避けるために破棄作業を家族だけで進めるのではなく、本人の撤回意思を明確にする方法を相談します。親が亡くなった後に見つかった遺言書は、気に入らない内容でも家族が破棄・書換えをしてはいけません。

古い遺言の受取人・執行者にも、本人の希望に沿って情報を整理する

相談時には、前の遺言の日付・種類・保管先、新しい財産一覧、変えたい箇所をそろえます。公正証書なら作成した公証役場、法務局保管なら保管番号が手がかりになります。新しい遺言の費用は種類や内容によって異なるので、作成前に見積りを尋ねてください。

遺言執行者などに旧文書の写しを渡している場合は、親の意思に沿って、新しい遺言の存在と保管先を伝える方法も整理します。内容を誰まで知らせるかは本人が決めます。

なお、一度撤回した遺言は、撤回するための行為を後でやめても、原則として当然には復活しません。民法1025条の例外もあるため、何度か書き直した人は新しい1通だけでなく、過去の遺言も相談先に見せ、現在残す内容を明確にしてください。

参照資料

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執筆・検証:カネさん(政経プラスチャンネル運営)+ ChatGPT

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