実家が空き家になるときは、住まなくなる日と今後の利用予定を、火災保険の契約先へ連絡してください。保険会社・代理店に、現在の契約を続けられるか、変更が必要かを尋ねます。切り替える場合は新しい補償の開始日を決めてから、現在の契約の終了日を調整してください。引受条件は、商品と建物の状態で異なります。
この記事は、親の施設入所や死亡によって実家を管理する家族向けです。契約先へ伝える情報と、変更手続きを終えるまでの確認事項を説明します。自分の家に適用される補償は、契約先の回答と契約書類で確認してください。
最初にそろえる資料
- 保険証券または契約内容が分かる画面、証券番号、満期日
- 契約者と建物所有者の氏名、代理店の連絡先
- 最後に住んでいた日、施設入所日などの経緯
- 家財の残り方、今後住む予定、売却・解体の予定
- 建物の写真、現在の管理方法、家族の連絡先
証券が見つからない場合は、更新の案内や保険料の引落明細から会社名を探してください。住宅ローンの書類に保険の案内がある場合も、現在有効な契約かを保険会社へ照会します。契約の有無と保険期間を確認してください。
空き家の保険を確認する6段階
1. 契約者・対象・満期日を確認する
保険証券の「契約者」「対象となる建物の所在地」「建物と家財のどちらを補償するか」を確認してください。親名義の保険が、実家とは別の物件を対象にしている場合もあります。所在地まで照合します。
満期が近ければ、用途確認と更新を一緒に相談します。契約者が亡くなっている場合は、建物の相続や保険契約の手続きに必要な書類を尋ねてください。生前の親を家族が代理する場合も、本人確認や代理手続きは契約先の案内に従います。
対象の建物と、有効な契約・満期日を特定したら使用状況を連絡します。
2. 空き家になる事情を伝える
保険会社には、住まなくなる日、残っている家財、再び住む予定、家族が訪問・宿泊するかを具体的に伝えてください。この情報を基に、保険会社が建物の使用状況を判断します。決まっていないことは、未定と伝えて構いません。
日本損害保険協会の案内では、契約後に通知が必要な事項が変わったときは保険会社や代理店への連絡が必要で、通知義務に違反すると保険金が支払われないことがあると説明しています。通知が必要な項目は、加入中の約款や重要事項説明書で確認します。
連絡する際は、次の文を手元の状況に置き換えられます。
「親が施設へ入所し、○月○日から実家に住む人がいません。家財は残り、家族が月に○回点検します。再び住む予定は未定です。この状態で現在の契約を続けられますか。用途変更の通知と、契約者の変更に必要な書類を教えてください」
現状と今後の予定を伝え、必要な通知・書類の案内を受けたら次へ進みます。
3. 継続できる商品と用途区分を確認する
空き家を引き受ける条件は、保険商品によって異なります。例えば損保ジャパンの「THE すまいの保険」のFAQでは、空家は引受対象外とし、家財が備わって季節的に住居として使う別荘などを例外として案内しています。
一方、東京海上日動の住まいの保険の案内には、将来住む予定があり、常時住居として使用できる状態の空家を併用住宅として扱う説明があります。自分の契約でもこの扱いになるかは、その契約先に確認してください。
伝えた利用実態が「住宅物件」「一般物件」などのどの区分になるか、保険会社・代理店に尋ねてください。今の契約で対応できない場合は、別商品の提案と、その商品の引受条件の確認を依頼します。
現在の契約の継続可否と、必要な変更内容の回答を得たら補償を比較します。
4. 補償と自己負担を比べる
見積もりには、保険料、建物・家財の保険金額、対象事故、免責金額、対象外の損害を並べてください。免責金額は、事故時に自分で負担する額です。同じ項目をそろえると、補償と負担を比べられます。
- 火災、風災、水災など、どの事故を対象にするか
- 地震を原因とする損害への備えをどうするか
- 家財を搬出した後の家財補償をどう見直すか
- 塀や物置など、敷地内の設備が対象に入るか
- 第三者への損害賠償に関する補償があるか、その条件は何か
この一覧を使い、必要な補償が含まれるかを契約先へ尋ねてください。古い屋根の劣化や長く続いた雨漏りも、原因と契約条件に照らして、補償される損害かを確認します。火災保険で修理費が出るかは、この確認をしてから判断してください。
年間保険料は、建物や所在地、商品、補償内容で変わります。空き家の状態を申告したうえで見積もりを取りましょう。比較表には保険料とともに、補償開始日・対象・免責金額を並べる方法をおすすめします。
対象事故、保険金額、免責金額、保険料を同じ表で確認できれば切替日を決めます。
5. 変更日と支払いをそろえる
変更・切替えが必要な場合は、現在の契約の終了日と、新しい補償の開始日を担当者と確認してください。申込書の送付日とは別に、補償が始まる日を記録します。
追加保険料や返還保険料の有無、支払期限、引落口座の変更も担当者に尋ねてください。親の口座が使えなくなった場合は、保険会社に支払方法を相談します。支払う金額と期限を確認して、未払いを防ぎます。
作業表には、連絡日、必要書類、提出日、変更予定日を記録してください。書類がそろったかと、変更が完了したかをそれぞれ記録すると、残った手続きが分かります。
必要書類と支払いを済ませ、補償が途切れない日程を確認します。
6. 変更後の書類を確認する
変更後の証券・承認書・Web画面を開き、所在地、用途や契約条件、契約者、保険期間、保険金額を照合してください。家族が伝えた内容と違う記載があれば、担当者に尋ねます。
電話で事情を伝えた後は、受け付けられた内容と、残った手続きを担当者に尋ねてください。次のように質問できます。
「空き家になった事情の通知と契約の変更は完了していますか。現在の補償はいつまで、変更後の補償はいつから有効ですか。追加提出や支払いは残っていますか」
変更内容が契約書類に反映され、追加手続きの有無まで確認できれば完了です。
売却・賃貸・解体に進むときも連絡する
空き家管理を始めた後に、売却、賃貸、解体へ方針が変わった場合は、保険の契約先へ改めて連絡してください。管理業者へ鍵を渡す手続きと、保険契約の変更は、それぞれ進めます。
家族で保管する資料は、変更後の契約書類、連絡内容、支払記録、次回の更新日です。事故時の連絡先も同じ場所に置くと、現地へ行く家族が迷わず連絡できます。
関連する手続き
確認した一次資料
確認日:2026年10月5日。日本損害保険協会の契約変更案内、損保ジャパンの空家に関するFAQ、東京海上日動の補償内容を参照しました。実際の引受可否と補償は、加入する契約の約款・個別の回答で確認してください。

