介護保険の自己負担軽減・高額介護サービス費

介護費用の負担軽減を確認する計算機、領収書、保険カード、書類、硬貨のシンプルなイラスト

親の介護が始まると、介護サービス費だけでなく、施設の食費・居住費や日用品代も重なります。「毎月の負担が大きい」と感じたときは、費用の種類ごとに利用できる制度を確認しましょう。

介護費用の負担軽減を確認する計算機、領収書、保険カード、書類、硬貨のシンプルなイラスト

この記事では、高額介護サービス費と、施設の食費・居住費の負担軽減(補足給付)を中心に、対象、対象外になりやすい費用、申請先、必要書類の確認ポイントをまとめます。金額は2026年8月時点の厚生労働省資料をもとにしていますが、制度は改定されるため、申請前に市区町村へ確認してください。

まず、介護にかかる費用を3つに分ける

  • 介護サービスの自己負担:原則1割、一定以上所得がある場合は2割または3割
  • 施設の食費・居住費:介護サービスの自己負担とは別にかかる費用
  • 介護保険の対象外の費用:日用品、理美容、医療費、加算の対象外となるサービスなど

高額介護サービス費で上限が設けられるのは、基本的に介護保険サービスの利用者負担分です。食費・居住費や日常生活費まで自動的に上限になるわけではありません。

高額介護サービス費とは

同じ月に利用した介護保険サービスの自己負担が、所得区分ごとの上限額を超えた場合、超えた分が支給される制度です。世帯で計算する区分では、同じ世帯の介護サービス利用者の負担を合算して判定します。

所得区分の目安月額の上限
生活保護受給者など個人15,000円
住民税非課税世帯(公的年金等収入等が一定以下の場合)世帯24,600円・個人15,000円
住民税非課税世帯のうち上記以外など世帯24,600円
市町村民税課税世帯〜課税所得約380万円未満(年収約770万円未満)世帯44,400円
課税所得約380万円以上〜約690万円未満(年収約770万〜1,160万円未満)世帯93,000円
課税所得約690万円以上(年収約1,160万円以上)世帯140,100円

※厚生労働省資料の所得段階を、家族が確認しやすいように簡略化した目安です。生活保護の境界層措置、老齢福祉年金、世帯の状況などで区分が変わる場合があります。最終的な区分は介護保険の保険者である市区町村に確認してください。

高額介護サービス費の対象外になりやすいもの

  • 施設の食費・居住費
  • 日用品費、理美容費、教養娯楽費などの日常生活費
  • 介護保険の支給限度額を超えて利用した分
  • 介護保険の対象外サービスや、契約上の追加費用

居宅サービスには要介護度ごとの支給限度額があります。限度額を超えた利用分は、原則として全額自己負担です。施設では、介護サービス費のほかに食費・居住費などが請求されるため、請求書の項目を分けて確認しましょう。

施設の食費・居住費を軽くする「補足給付」

介護保険施設や短期入所を利用する低所得の人は、申請して認定を受けることで、食費・居住費の負担限度額が設定される場合があります。制度上は「特定入所者介護(予防)サービス費」と呼ばれ、一般に補足給付と説明されます。

2026年8月からの厚生労働省資料では、食費の負担限度額は次のとおりです。ショートステイは別の日額となるため、施設入所と同じ金額とは限りません。

利用者負担段階食費の負担限度額(日額)
第1段階300円
第2段階390円
第3段階①680円
第3段階②1,420円

居住費の負担限度額は、特養・老健・介護医療院などの施設種別、個室・多床室などの部屋の種類によって異なります。2026年8月からは第3段階②の居住費の負担限度額も見直されています。施設から示された見積書と、厚生労働省の表を照らし合わせて確認してください。

補足給付の主な確認項目

  • 世帯全員が市町村民税非課税か
  • 世帯を分離している配偶者も含めて判定されるか
  • 本人・配偶者の年金収入等と合計所得金額はいくらか
  • 本人・配偶者の預貯金等が基準以内か
  • 利用する施設・部屋の種類が制度の対象か

補足給付は、所得だけでなく預貯金等の要件もあります。厚生労働省の2026年8月資料では、預貯金額の基準は利用者負担段階により異なり、配偶者がいる場合は夫婦の基準になります。自宅の土地・建物などの扱いを含め、自治体の申請案内で確認してください。

申請から支給・軽減までの流れ

  1. 請求書を分けて確認する:介護サービスの自己負担、食費、居住費、日用品費などを分けます。
  2. 介護保険の保険者に相談する:市区町村の介護保険担当課、または地域包括支援センターに制度名を伝えて確認します。
  3. 該当する制度の申請書を取り寄せる:高額介護サービス費と、負担限度額認定は別の手続きです。
  4. 必要書類をそろえる:申請書、介護保険関係の証書、振込先、預貯金等を確認できる書類など、自治体が指定するものを準備します。
  5. 認定証や支給決定を確認する:施設には認定証の提示が必要な場合があります。申請書が届いた場合は放置せず、期限や時効を自治体に確認します。

高額介護サービス費は、いったん支払った後に、上限を超えた分が後から支給される形になることがあります。補足給付は、認定証の交付前後で施設への提示方法が変わる場合があるため、入所前に施設と市区町村へ相談しておくと安心です。

医療費も高いときは「高額医療・高額介護合算」

医療保険の自己負担と介護保険の自己負担を世帯単位で合算し、年単位の上限を超えた場合に支給される制度もあります。高額介護サービス費とは別の制度です。医療費と介護費の両方が大きい家庭は、介護保険担当課だけでなく、加入している医療保険の窓口にも確認してください。

家族が最初に整理するメモ

  • 介護保険負担割合証の「1割・2割・3割」の区分
  • 要介護度と、居宅サービスの利用限度額
  • 毎月の介護サービス自己負担額
  • 施設の食費・居住費・日用品費の内訳
  • 世帯の課税状況、年金収入等、預貯金等の要件
  • 申請書が届いた日、申請日、認定証の有効期間

家族だけで判断しにくいときは、請求書と介護保険関係の書類を手元に置き、「高額介護サービス費」「負担限度額認定」「高額医療・高額介護合算」のどれを確認したいかを伝えると相談が進みやすくなります。

相談先

  • 市区町村の介護保険担当課
  • 地域包括支援センター
  • 担当のケアマネジャー
  • 入所・利用している施設の相談員、事務担当
  • 加入している医療保険の窓口(医療・介護合算を確認する場合)

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※この記事は制度の概要を整理したものです。所得区分、世帯状況、資産要件、施設種別、自治体の運用により結果が異なります。申請前に必ず保険者である市区町村、地域包括支援センター、施設担当者へ確認してください。

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