認知症の親が入るグループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の診断を受け、要支援2または要介護1〜5の認定を受けた人が対象です。5〜9人の少人数で、職員の支援を受けながら共同生活を送ります。「地域密着型サービス」のため、原則として施設がある市区町村に住民票がある人しか入れません。申込みは施設に直接行うのが一般的で、費用は介護保険の自己負担に家賃・食費などが加わります。
情報確認日:2026年10月8日。費用、入居条件、退去の基準は施設ごとに違います。必ず重要事項説明書で確認してください。
手続きの前に用意するもの
- 親の介護保険証と負担割合証(要支援2以上か、負担割合の確認)
- 認知症の診断が分かる書類(主治医の診断書・意見書など、施設の指定様式があることも)
- 服薬の内容、持病、医療処置の有無、日常生活で手助けが必要な場面のメモ
- 親の年金額と預貯金、毎月払える金額の目安
1. 入居の条件(診断・要介護度・住所)を満たすか確認する
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 認知症 | 医師の診断を受けていること(急性の状態にある人は対象外) |
| 介護認定 | 要支援2、または要介護1〜5(要支援1は利用できない) |
| 住所 | 原則として、施設がある市区町村の介護保険の被保険者であること |
| 共同生活 | 少人数での共同生活が送れること(施設が面談で判断) |
離れて暮らす親を子の近くのグループホームに入れたい場合、住民票を移しただけでは入れないことがあります。転入してからの期間の条件などを、入居先の市区町村に確認してください。
ここまでの完了目安:診断・介護認定・住所の条件を満たしているか分かった。
2. 住所地のグループホームを探し、空き状況を聞く
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で、市区町村内のグループホームを探せます。ケアマネジャーや地域包括支援センターは、空きの出やすい施設や評判を知っていることがあります。
グループホームは特別養護老人ホームのような一括の申込窓口がないことが多く、施設ごとに申し込みます。1ユニットの定員が9人以下と少ないため、空きの状況をこまめに聞くことが大切です。
ここまでの完了目安:候補の施設と、それぞれの空き状況・待ちの見込みが分かった。
3. 見学し、費用と医療・看取りの方針を確認する
費用は大きく分けて2つです。
- 介護保険の自己負担:1日あたりの単価で、要介護度とユニット数で決まります。厚生労働省の公表システムの例では、1ユニットの施設で要介護3の1割負担なら1日824円(地域差・加算は別)です。
- 介護保険以外:家賃、食材料費、光熱水費、日用品、おむつ代、理美容代など。施設ごとに大きく違います。
グループホームの家賃・食費は、特養などで使える「負担限度額認定」の対象外です。自治体によっては独自の家賃助成があるため、市区町村に確認しましょう。
グループホームは医療の提供体制が施設ごとに違います。医療処置が必要になったとき、入院したとき、看取りの時期をどうするかの方針を必ず聞きます。
「父は要介護2で、もの忘れと夜間の徘徊があります。月額の費用の内訳と、入院した場合の居室の扱い、医療的な処置が必要になった場合や看取りの時期に住み続けられるかを教えてください」
ここまでの完了目安:月額費用の総額と、医療・入院・看取りの方針が比較できた。
4. 申込書と診断書を出し、面談を受ける
入居を希望する施設に申込書を出します。認知症の診断書や健康診断書は、施設の指定様式があることが多いため、様式を受け取ってから主治医に依頼します。
施設の職員が親と面談し、共同生活が送れるか、今の介護・医療の必要度に対応できるかを確認します。家族も同席し、生活歴、好きなこと、苦手なことを伝えると、入居後のケアに生かしてもらえます。
ここまでの完了目安:申込書と診断書を提出し、面談を終えて入居の可否の連絡を待っている。
5. 重要事項説明を受けて契約する
入居が決まったら、重要事項説明書と契約書の説明を受けます。費用の内訳、入居一時金や敷金の有無と返還、退去になる条件、身元引受人の役割を確認します。
親本人の判断能力が低下していて契約内容を理解できない場合、家族が代わりに署名すれば済むとは限りません。成年後見制度の利用が必要になることもあるため、施設と相談してください。
ここまでの完了目安:契約内容を理解したうえで契約を結び、入居日が決まった。
6. 入居の準備をし、入居後の面会・連絡方法を決める
持ち込む物は施設の一覧に沿って用意します。使い慣れた家具や写真を持ち込むと、親が新しい環境に慣れやすくなります。服や持ち物には名前を書きます。
入居後は、面会のルール、体調の変化があったときの連絡先、毎月の費用の支払い方法を家族で決めます。在宅で利用していたケアマネジャーや事業所との契約は、入居に合わせて終了の連絡をします。
ここまでの完了目安:入居が済み、施設との連絡窓口と支払い方法が家族で共有された。
入居までの間に家族ができること
空きが出るまで待つ間も、家族の負担を減らすサービスを組み合わせます。ケアマネジャーに、今の困りごとと入居希望を伝えて相談しましょう。
- 認知症対応型通所介護:認知症の人を対象にした少人数のデイサービス
- 小規模多機能型居宅介護:通い・訪問・泊まりを同じ事業所で組み合わせられる
- ショートステイ:家族の休息や用事のために数日泊まる
- グループホームの短期利用:空き居室を使った短期入居を受け付ける施設もある
入院・退去のときの費用
入院中も居室を確保してもらう場合は、その間の家賃などがかかるのが一般的です。何日まで居室を確保してもらえるか、その間の費用はいくらかを確認しておきます。退去するときは、敷金や入居一時金の返還、居室の原状回復費用の扱いを契約書で確かめてください。
よくある質問
グループホームで看取りまでしてもらえますか?
施設によります。医療機関との連携や看護職員の体制が整い、看取りに対応している施設もあれば、医療が必要になると退去となる施設もあります。入居前の確認が欠かせません。
要介護度が重くなったら退去ですか?
要介護5の人も対象ですが、共同生活が難しくなった場合や、常時の医療が必要になった場合に退去となる施設があります。退去の条件は契約書に書かれています。
生活保護を受けている親も入れますか?
受け入れている施設はあります。家賃や食費が生活保護の基準の範囲内かどうかが目安になるため、福祉事務所のケースワーカーと施設の両方に相談してください。
複数のグループホームに同時に申し込めますか?
多くの施設で可能です。1か所で入居が決まったら、ほかの申込先にすぐ連絡して取り下げます。待機中に親の状態や連絡先が変わったときも、申込先すべてに伝えておきましょう。
あわせて確認したい手続き
出典・確認先
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム|認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 厚生労働省|認知症対応型共同生活介護(社会保障審議会介護給付費分科会資料)
- 江東区|グループホーム
- 小牧市|負担限度額認定の対象外サービス(グループホーム等)

