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認知症の親の預金を引き出せないときは?口座凍結と介護費用の銀行相談

認知症の親の預金を引き出せないときは?口座凍結と介護費用の銀行相談 成年後見・財産管理

親の預金から病院代を払えないときは、取引銀行へ「本人の費用を、いつ、いくら払う必要があるか」を相談してください。認知症の親が入院し、家族だけでは引き出せない場合も、通帳と印鑑を持って行く前に必要な手続きを聞きましょう。

認知症と診断されたら、すべての銀行口座が直ちに自動凍結されると一律に説明するのは正確ではありません。 銀行は本人の意思や判断能力、代理権、取引の内容などを確認します。引出しが難しくても、本人の医療・介護費等について、限定的な対応を相談できる場合があります。全国銀行協会の取引の考え方

この記事は2026年10月1日時点の案内です。実際の取扱いと必要書類は銀行ごとに確認してください。

図解:親の預金で施設費を払う

親の預金で施設費を払う。本人の費用・期限・支払先を明確にして銀行へ相談
払戻しの保証ではない。各銀行が個別に確認する。 図解は当サイト作成。出典:全銀協:金融取引の代理等に関する考え方等、本文の資料。2026年10月1日確認。

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図解の内容を文章で読む
  1. 請求を確認:本人の費用・金額・期限を整理
  2. 銀行へ相談:意思確認と必要な手続を尋ねる
  3. 施設にも連絡:確認中の手続と期限を相談する
  4. 支払記録を残す:請求額と支払いの内容を対応させる

払戻しの保証ではない。各銀行が個別に確認する。

「口座凍結」と言われたら、止まっている取引を確認する

「口座が凍結された」と言われたら、どの取引が止まっているかを銀行へ聞いてください。窓口での払戻し、振込、カード、定期預金の解約、既存の口座振替を、それぞれ確認します。

銀行には「本人による引出しは難しいとのことですが、施設代の口座振替や年金の受取りはどうなりますか。必要な手続は何ですか」と聞いてください。予定する取引について、本人の判断能力をどう確認するかも相談しましょう。

説明の内容を本人が理解できるか、取引の意思を示せるかを、銀行へ伝えてください。認知症の診断名だけで、本人への確認を省くことはできません。

親の預金を引き出すための権限を確認する

預金は親本人の資産です。引出しには、本人の意思確認や有効な代理権が必要です。子や配偶者という関係だけで、引出しの権限が生まれるわけではありません。全国銀行協会の案内

カードと暗証番号を知っていても、銀行が認める代理手続が済んでいるかを確認してください。本人の口座から家族の口座へまとまった資金を移す前に、代理人としてできる取引を銀行へ聞きましょう。

親本人のための費用と、子の生活費や将来の相続の準備を分けてください。医療費を立て替えた場合は、請求書、領収書、支払日、金額を残し、何の費用を払ったか説明できるようにします。

急ぎの病院代・施設代は、請求書を用意して相談する

全銀協は、本人の生活費、入院・介護施設費などで困った場合、まず取引銀行へ相談するよう案内しています。本人の利益に合うことが明らかな医療費等では、銀行が極めて限定的に払出しや振込に応じる考え方を示しています。実際の対応は銀行が個別に確認するため、払戻しを受けられる権利や全国共通の保証として扱わないでください。

電話等で事情を説明し、必要な資料と、相談できる支店・担当者を聞いてください。次の表は、窓口で伝えるための準備例です。実際に提出する書類は銀行へ確認しましょう。

伝える項目 整理する内容
何の費用か 親の入院費、施設費、生活費など
支払いの期限 請求日、締切、滞納の有無
金額・支払先 請求書と病院・施設の情報
本人の状態 面談や意思確認の可否、入院先
相談者との関係 子・配偶者等、本人との連絡状況
既存の権限 代理人届、後見人の有無など

「施設代が必要なので30万円を現金で欲しい」と伝える場合も、目的と支払先を説明してください。例えば「父の○月分施設費の請求書があり、期限は○日です。施設へ直接振り込む方法を相談したい」と聞きます。直接振込が可能かも含め、銀行が示す方法を確認しましょう。

継続した管理には、成年後見等の手続を検討する

年金管理、施設契約、預金の解約などが繰り返し必要なら、継続的に対応できる仕組みを相談してください。成年後見人等が選任された場合も、銀行への届出が必要です。登記事項証明書など、必要な資料を取引銀行へ聞きましょう。全銀協の後見の届出案内

成年後見を検討するときは、後見人の選任や継続費用も含め、制度のデメリットと確認項目を読んで相談してください。一回の払戻しだけで終わる制度ではありません。

2026年6月に成年後見を見直す法律が成立・公布されていますが、主要な見直しの施行は別に定められます。法務省の改正法案内と2026年の制度改正を確認してください。

銀行の対応を待つ間に支払期限が迫ったら、病院の医療ソーシャルワーカーや施設の担当者にも、本人の預金を使う手続中だと伝えてください。支払方法や期限を相談しましょう。後見人選任までの対応は、地域包括支援センターや権利擁護支援の窓口にも相談できます。厚労省の医療支援ガイドライン・事例集

例:施設費の期限が迫ったとき、銀行へ何を伝えるか

以下は相談方法を示す架空の例です。母が入所した施設から、今月分18万円の請求が届きました。娘は母の通帳を預かっていますが、代理人の届出があるか知りません。母は会話ができても、振込金額や契約の内容を理解できるかは未確認です。

娘は、まず母が口座を持つ銀行に次のように伝えます。「母の施設利用料18万円の請求書があり、期限は10月15日です。母は施設にいて、来店できません。本人の意思確認の方法と、施設への支払いについて相談したいです」。金額や期限は例であり、銀行が支払いに応じる条件を示すものではありません。

続けて、次の四つを聞いてください。本人との面談や連絡はどう行うか、家族の相談に必要な書類は何か、施設への直接振込を相談できるか、成年後見等の手続が必要な場合に当面の支払いをどう考えるかです。

全銀協は、代理権のない親族への対応を極めて限定的とし、本人の利益に合うことが明らかな医療費等の支払いを例示しています。この説明を「家族なら18万円まで下ろせる」などの金額基準や、一般的な出金権限に置き換えないでください。全銀協の取引の考え方

銀行の相談と、施設への連絡を並行する

施設にも「本人の預金から支払う手続を確認中」と伝え、請求の内訳、支払い期限、銀行に提示できる書類を聞いてください。銀行への相談だけでは施設に事情が伝わらず、通常の期限どおりに請求されます。

支払い期限の調整をお願いするときは、銀行の手続が必ず間に合うと約束しないようにしてください。相談日、次に連絡する日、担当者、回答を待っている内容を記録しましょう。同じ説明を繰り返す負担も減らせます。

厚労省の医療支援ガイドラインは、支払方法の相談や地域の支援につなぐ考え方を示しています。本人の収入では費用が足りないのか、預金はあるが取引できないのかを分けて伝え、必要な相談先を確認してください。

請求書と支払記録を対応させて残す

払戻しや振込ができたら、取引額と支払先の請求を対応させて記録してください。医療費と介護費をまとめて相談した場合も、支払い後に、どちらへいくら払ったかを分けて残します。

残す項目 記録の例
相談 日付、銀行・施設の担当、必要書類、未回答の質問
請求 何月分、本人の氏名、費目、金額、期限
支払い 日付、金額、振込先、利用した方法
立替え 家族が払った額、領収書、精算の相談状況

この表は記録方法の提案です。払戻しの権限や立替金の精算は、記録の整理とは別に確認してください。記録を整えただけで、引出しや精算が認められるわけではありません。

同じ説明を毎月繰り返すなら、次の管理方法を相談する

施設費や医療費の支払いが続く場合は、次の請求を待たずに、口座振替の設定や継続的な代理手続を銀行へ相談してください。本人の判断能力と手続の内容に応じて、銀行が対応できる範囲を確認します。

後見人等が選任されたら、各銀行へ届け出てください。複数の銀行に口座がある場合は、どの銀行へ何を届け出たか一覧にしましょう。全銀協の成年後見の届出案内

相談で迷いやすい質問

支払期限が近いので、親の署名を家族が書いてもよいですか?

本人が来店や署名をできない事情を銀行に伝え、認められる手続きを相談してください。家族が本人になり代わって署名し、意思や権限の確認を省くことは勧めません。

他の銀行では払えたので、この銀行でも同じですか?

今回の銀行にも、取扱いを確認してください。以前に払えた銀行とは、対応日、目的、本人の状態、確認資料が違う可能性があります。前の対応を相談材料として伝えられますが、同じ結果が得られる保証にはなりません。

判断能力があるうちに、銀行の代理制度を確認する

判断能力があるうちに、銀行独自の代理人制度や財産管理サービスがあるかを聞いてください。利用できる取引、手数料、判断能力が低下した後の扱いは、銀行ごとに確認しましょう。全銀協の事前準備リーフレット

通帳の場所の共有に加えて、「本人が来店できなくなったとき」と「本人が取引を理解できなくなったとき」を分けて銀行へ聞いてください。利用するサービスで対応できる範囲を確認します。任意後見を含む、親の判断能力が落ちたときの手続も参考にしましょう。

よくある質問

診断を銀行に伝えなければ問題ありませんか?

本人の意思をどう確認し、必要な費用をどう払うかを銀行へ相談してください。診断を隠すことを解決策にせず、資金を移す場合も使途を説明できるようにしましょう。

全銀協の案内を見せれば必ず引き出せますか?

全銀協の案内をもとに、本人の状態と取引内容を銀行へ説明してください。実際の対応は各銀行が確認するため、必ず引き出せる保証にはなりません。断られた場合は、理由と次に必要な手続きを聞きましょう。

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