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成年後見制度のデメリットは?やめられない・費用・家族の権限を申立て前に確認

成年後見制度のデメリットは?やめられない・費用・家族の権限を申立て前に確認 成年後見・財産管理

成年後見制度を使うと、目の前の手続が済んだ後も、財産管理や費用の負担が続きます。申立て前に、本人に必要な支援と、家族が続けられる支援を確認してください。制度は、判断能力が不十分になった本人の契約や財産管理を支えるためのものです。

家庭裁判所へ制度の利用開始を申し立てる前に確認したいのは、困った手続を終えた後も続くこと、希望する家族が必ず後見人になれるわけではないこと、本人の財産を家族の都合で使えなくなることです。 この記事では、2026年10月1日時点の現行の法定後見制度について、負担と保護の両面を整理します。

2026年6月には成年後見制度を見直す法律が成立・公布されました。成年後見の主要な見直しの施行日は、公布から2年6月以内の政令で定める日とされています。成立と施行を分けて確認してください。法務省の改正法案内。詳しくは2026年の成年後見制度改正へ。

図解:申立て前に比べる4項目

申立て前に比べる4項目。目の前の手続と、その後の暮らしを分けて考える
確認する4項目。現行制度の条件を確認する。 図解は当サイト作成。出典:裁判所:制度利用前の留意事項等、本文の資料。2026年10月1日確認。

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図解の内容を文章で読む
  1. 本人の希望:本人の言葉と家族の希望を分ける
  2. 必要な手続:何を、いつまでに行うか確認する
  3. 継続する負担:報酬・記録・連絡の負担を見積もる
  4. 利用後の暮らし:財産管理と支出の相談方法を確認

確認する4項目。現行制度の条件を確認する。

「一回の手続だけ」が終わっても、後見は続く

現行制度では、家族や本人が「もう不要」と希望するだけでは後見をやめられません。例えば、父の預金を介護費用に使うために申し立てた場合、預金の手続が済んだ後も後見は続きます。裁判所の利用前の留意事項

本人の判断能力が、保護を必要としない状態まで回復した場合は、開始の審判を取り消す手続があります。取消しの条件は、用事が済んだことではなく、判断能力の回復です。神戸家庭裁判所の取消し案内

よくある考え違い 確認したいこと
遺産分割が終われば自動終了する 目的達成だけでは終了しない
専門職が選ばれそうなら申立てを撤回する 提出後の取下げには家庭裁判所の許可が必要
家族の後見人が辞めれば制度も終わる 後見人の交代と、制度の終了は別
いつか制度が変わるので今も自由にやめられる 現行手続と改正後の仕組みを混同しない

申立費用だけでなく、継続する費用を見積もる

費用は、申立ての印紙・郵便料、診断書等の取得、必要な場合の鑑定、専門家へ申立てを依頼する費用に分かれます。利用開始後には、後見人や監督人の報酬が生じることもあります。厚労省の法定後見の費用案内

後見人や監督人の報酬は、家庭裁判所が決めた額を本人の財産から支払います。家族を候補者にしても、専門職や監督人が選ばれる場合があります。継続する費用も見積もってください。

相談時には、初年度の出費と、その後の年間負担を分けて聞いてください。本人の年金、預金、毎月の医療・介護費を並べ、生活費を確保したうえで支払えるかを考えます。具体的な金額は成年後見制度の費用で確認してください。

後見人は家庭裁判所が選ぶ

後見人を選ぶのは家庭裁判所です。候補者に長男を書いても、本人に必要な支援や財産管理の難しさに応じて、別の人を選ぶことがあります。誰を選任するかという判断には、不服申立てができません。厚労省の選任と役割の説明

家族は、本人の暮らしの希望、過去の金銭管理、必要な支払いを後見人に伝えられます。口座の管理担当や説明を求める相手が変わる可能性を、利用前に家族で共有しておくと混乱を減らせます。

相続税対策や家族への援助は、本人保護とは目的が違う

後見人は、本人の生活や権利を守るために本人のお金を管理します。静岡家庭裁判所の手引は、相続税対策として子へ贈与したり、家族へ貸し付けたりすることを、原則としてできない行為に挙げています。静岡家庭裁判所の申立ての手引

例えば「母の施設代を払う」と「母の預金で子の住宅資金を援助する」では、目的が違います。本人の財産を使う場合は、本人保護のための支出かを確認してください。家族が合意したことだけで、使えると決められるわけではありません。

住んでいた家の売却などには、本人のための支出であっても、事前に裁判所の許可が必要です。空き家になっている場合も、処分する前に相談してください。東京家庭裁判所の居住用不動産処分案内

利用する場合・しない場合の支障を一枚にまとめる

本サイトでは、本人に必要な支援と、ほかの方法で対応できる範囲を比べてから、利用を判断することを勧めます。デメリットだけで避けたり、困った手続が一つあるだけで直ちに申し立てたりする前に、この点を確認してください。

急ぎの医療費を銀行への相談で払える場合と、継続した契約や財産管理が必要な場合があります。相談時には、次の項目を一枚に整理してください。

  • 今できない手続と、支払いの期限
  • 本人が理解・判断できること、本人の希望
  • 家族が続けられる支援と、続けられない支援
  • 継続費用、選任される人、開始後にできなくなること
  • 利用しない場合に想定される契約・財産管理上の問題

出発点を整理したい方は親の判断能力が落ちたときの手続へ。地域包括支援センターや自治体の権利擁護支援の窓口に、何に困っているかを伝えて相談できます。

例:家の売却だけを急ぐ家族は、何を比較するか

以下は、申立て前の考え方を整理する架空の例です。認知症の父が施設に入り、空いた自宅の維持費が負担になりました。長女は家を売って施設費に充てたいと考えていますが、父は「家に帰りたい」と話しています。

長女は、売却が必要な理由と父の希望を、別々の欄に記録します。父には、帰宅そのものを望んでいるのか、家にある品物や近所の人を気にしているのかを聞きます。長女自身の事情として、維持費、家の管理、施設費の不足額も整理します。本人の意思確認を支え、意思を推定する場合も根拠を集めるという考え方は、厚労省の意思決定支援の説明に示されています。

売却の手続に加えて、売却後の預金管理や定期的な報告を誰が担うかも聞いてください。父が好きなことにお金を使うときの相談方法まで確認します。

この例では、次のような比較メモを相談先へ渡せます。金額や見通しが分からない項目には「未確認」と書いてください。

比較すること メモする内容
本人の希望 帰宅、家財、訪問したい人など、本人の言葉と確認日
当面の支出 施設費、固定資産税、保険、管理費など
手続の必要性 誰が、どの契約を、いつまでに行う必要があるか
利用後の生活 売却代金の管理、継続費用、日常の支出の相談方法

制度を使う場合・使わない場合を、同じ期間で比べる

まず、今後一年程度の収支を仮に並べて相談してください。初期費用と今月の介護費に加え、その後の継続費用も比べます。一年は比較のために置く期間であり、制度は長く続く可能性があります。

制度を使う欄には、見込まれる報酬、家族の連絡・書類整理、本人への説明を記載します。使わない欄には、できない契約、支払いの停滞、家族が担う記録や相談を書きます。家族の時間や、支援を続けられる範囲も含めて比べてください。

利用開始後に、希望した家族ではなく専門職が選ばれる場合も考えてください。候補者が必ず選任されるとは限りません。裁判所の利用前の留意事項

銀行の代理制度などを相談する場合は、対応できる取引の範囲を聞いてください。預金の一部の取引、不動産の処分、暮らし全体の契約は、それぞれ対応できるかを確認します。

本人の楽しみと、日常の支出の相談方法を確認する

本人が友人との食事や趣味を楽しみたい場合は、その希望を相談先へ伝えてください。家族の節約の希望とともに、本人の楽しみ、現在の支出、生活費の余力を整理します。

本人の好みを聞き、暮らしを支えるために何が必要かを相談してください。家族の節約方針だけで管理を決めると、制度の目的から離れてしまいます。すべての希望どおりに支出できるとは限らないため、後見人との連絡方法や、日常の支出を相談する機会も確認しましょう。

相談で迷いやすい質問

費用の見込みに納得できないとき、先に申し立ててもよいですか?

費用や候補者の扱いを相談先に確認し、内容を記録してから、申立てを判断してください。現行制度では、提出後の取下げに家庭裁判所の許可が必要です。「試してから決める」つもりで提出すると、この条件が問題になります。

改正法が成立したので、短期間だけ使うつもりでよいですか?

現行制度の継続条件を基に判断してください。改正法の成立と、見直し部分の施行は別です。2026年10月1日時点では、将来の仕組みを理由に、今の手続を自由に終了できるとは見込めません。法務省の改正法案内

よくある質問

家族が後見人になれば負担はなくなりますか?

報酬だけでなく、記録・報告や金融機関への手続の負担があります。候補者としての準備は家族が成年後見人になる場合で整理しています。

後見人に不満があるときは何もできませんか?

不適切な行為が疑われる場合は、事実と資料を整理し、監督する家庭裁判所へ相談してください。誰が選ばれたかへの不服申立てと、選任後の行為への対応は別です。使途不明の支出や報告上の問題を具体的に伝えます。不正等がある場合の解任手続もあります。大阪家庭裁判所の解任案内

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