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認知症の親の実家は売れる?成年後見と居住用不動産の処分許可

認知症の親の実家は売れる?成年後見と居住用不動産の処分許可 成年後見・財産管理

認知症の親の実家を売る前に、本人が売却を理解して判断できるか、誰が代理できるか、家庭裁判所の処分許可が必要かを確認してください。施設に入った後の実家も、子の判断だけで売れるとは限りません。

この6段階は、成年後見人等が本人の実家の売却を検討する場合の準備案内です。当サイトは売却契約・申立てを代行せず、本人の契約能力や許可の要否を個別に判定しません。段取りと保存方法は編集上の提案、許可の対象・書類は公式資料に基づきます。確認日:2026年10月5日。

STEP 1 本人の意思と、売却を進める人の権限を確認する

登記名義、現在の住まい、帰宅の見込み、売却が必要な理由を一枚にまとめてください。本人の希望を聞き、言葉や反応も記録します。契約できるかは、病名だけで決まるものではありません。判断が難しければ、医師・支援者や法律の相談先へ相談してください。

成年後見人が本人の居住用不動産を売却するには、家庭裁判所の許可が必要です。保佐人・補助人が代理する場合は、その処分の代理権があるかも確認してください。子という続柄や、通帳を預かっていることだけでは売却権限になりません。裁判所:居住用不動産処分許可

任意後見、財産管理の委任、家族信託を利用している場合は、契約書や登記事項証明書を持って相談してください。制度と契約内容に応じて、売却に必要な権限や手続きを確認します。

ここまでできたら:所有者、本人の希望、取引を行う人と代理権の根拠を確認し、不明点を専門家へ伝えた。

STEP 2 居住用の範囲と、裁判所へ相談する時期を確かめる

居住用不動産には、今住んでいる家に加え、入所・入院前に暮らした家や将来住む可能性のある家も含まれる場合があります。空き家になっていても、本人の利用歴と今後の住まいを裁判所へ説明してください。売却のほか、抵当権の設定、賃貸借契約の締結・解除、取り壊し等も処分に含まれます。

申立先は、原則として後見等開始の審判をした家庭裁判所です。事件が移っている場合は、現在の担当裁判所へ確認してください。実家の所在地だけで提出先を決めないようにしましょう。後見等の申立てを準備中なら、処分の必要性も伝え、手続きの順番を相談します。

大阪家庭裁判所は、事前に裁判所へ連絡し、交渉を進めた後、取引成立の一歩前で申し立てるよう案内しています。買主と価格が決まる前の相談と、具体的な契約案を添える申立ては、時期を分けて確認してください。大阪家庭裁判所の申立てのタイミング

ここまでできたら:許可が必要な取引か相談し、担当裁判所・事件番号・契約案を出す時期が分かった。

STEP 3 不動産資料と売却後の生活費を揃える

許可の検討に使う書類と、不動産会社・登記手続で使う書類を分けて準備してください。下表は売却の準備表です。追加書類や、提出済みの資料を省ける条件は、担当裁判所へ確認しましょう。

書類・資料 取得・作成する先 説明する内容
不動産の全部事項証明書 法務局の証明書窓口・公式請求サービス 土地・建物の名義、共有持分、担保等
固定資産評価証明書 実家がある市区町村等 対象不動産と年度。取得資格・委任書類も確認
査定書 仲介する不動産会社等 価格の根拠。査定より低い価格なら理由も説明
売買契約書の案 取引を扱う不動産会社等 当事者、価格、条件、予定日が分かる案
処分の必要性、本人の意向、収支資料 後見人等が支援記録・年金・施設費等から整理 なぜ売却が必要か、住まいと生活費をどう確保するか
後見等監督人の意見書等 監督人。提出要否は担当裁判所 監督人がいる場合の意見確認

売却価格と、仲介費用・税・残置物処理等を差し引いた本人の手元資金を分けて計算してください。税額や売却価格の根拠は担当者に聞き、このページだけで確定しないようにしましょう。親族が買主になる、後見人自身が相手方になる等の場合は、利益相反への対応を裁判所へ先に相談してください。

ここまでできたら:登記・評価・査定・契約案と、本人の住まい・生活費を説明する資料が揃った。

STEP 4 公式申立書を記入し、後見人等から提出する

申立人となる後見人等は、居住用不動産処分許可申立書と記入例を開き、事件番号、本人、申立人、処分する土地・建物、予定する取引を記入してください。家族の希望に加えて、本人にとって必要な理由と、価格などの条件が妥当である根拠を説明します。

申立人は成年後見人等です。家族が集めた資料も、権限を持つ人が確認し、裁判所指定の方法で提出してください。収入印紙は800円、郵便料等は担当裁判所の案内によります。証明書の取得、査定、専門家への依頼にかかる費用も別に確認しましょう。

提出前に、申立書と添付資料の写しを残し、窓口・郵送の宛先と受付方法を確認してください。買主に伝える予定日には、審理や資料の補正にかかる時間も見込みます。申立てただけで売却できると約束しないようにしましょう。

ここまでできたら:申立書と添付資料の控え、提出日、受付・納付情報を残し、許可前の取引予定を調整した。

STEP 5 補正と条件変更に対応し、許可前の実行を避ける

裁判所から本人の生活、売却価格、買主、契約条件について照会が来たら、求められた資料で回答してください。査定より安くする理由、共有者の同意、親族間の対立など、許可の判断に関係する事情も伝えます。

申立て後に買主・価格・契約内容・取引日が変わったら、担当裁判所へ変更内容を伝えてください。審理中なら資料の直し方を、許可後なら変更後の取引もその許可で進められるかを確認します。業者への連絡と、裁判所への補正は別です。手付金や契約を先行させる場合の扱いも、法律専門家と裁判所へ相談してください。

必要な許可を得ずにした処分は無効となります。工事・売買の相手方にも、いつ許可内容を確認するかを伝えてください。書類が出る前に取り壊しや引渡しを進めないようにしましょう。

ここまでできたら:追加照会と変更点を回答し、許可の内容が確認できるまで実行を止めている。

STEP 6 許可内容、引渡し、本人の口座への入金を確認する

審判書等で、許可された不動産と取引内容を確認してください。実際の契約がその内容に合っているか、必要な確定確認や登記用書類は何かを、担当者に聞きます。許可、売買の成立、代金の入金は、それぞれ記録しましょう。

取引後は、契約書、精算書、登記・引渡しの確認書類、本人の口座の入金記録を保存してください。売却代金は本人の財産として管理し、家族の口座へ移してよいと判断しないようにしましょう。裁判所への報告方法・時期と、税の申告が必要かも別に確認します。

売却後も、本人の住まい・毎月の支払いと財産管理を続けてください。家を売り終えたことだけで、後見等は終わりません。実家の公共料金や鍵などの引渡しも整理しましょう。実家の管理を引き継ぐ確認表

ここまでできたら:許可と実際の契約が一致し、引渡し・代金・本人の資金管理・報告予定まで記録した。

制度の詳しい条件・図解・よくある質問を読む

親名義の実家を売るには、親自身が売却を理解して判断できるか、代理する人に権限があるかを確認してください。家族という続柄だけで、子に売却権限が生じるわけではありません。

成年後見人等が本人の居住用不動産を処分するときは、家庭裁判所の許可が必要です。後見人が選ばれたことと、特定の実家の売却が許可されたことは、別の手続です。裁判所「居住用不動産の処分についての許可」

本記事は2026年10月1日に確認した現行手続を説明しています。成立済みの成年後見制度改正については、2026年の制度改正を参照してください。

図解:後見人選任と実家売却の許可は別

後見人選任と実家売却の許可は別。旧自宅も事前の処分許可が必要な場合
法定後見で居住用不動産を代理処分する場合 図解は当サイト作成。出典:裁判所:居住用不動産の処分許可等、本文の資料。2026年10月1日確認。

図解を大きく見る

図解の内容を文章で読む
  1. 代理権を確認:保佐・補助は処分代理権を確認
  2. 条件を整理:必要性と価格の根拠を準備
  3. 処分許可を得る:家庭裁判所へ別に申し立てる
  4. 処分を実行:許可と権限を確認して進める

法定後見で居住用不動産を代理処分する場合

まず名義・本人の意思・契約できる状態を確認する

売却の相談前に、登記事項証明書などで所有者を確認してください。親単独名義か、共有か、相続登記が済んでいるかによって、必要な準備が変わります。

売却の説明を親が理解できるか、本人の希望と暮らしへの影響を、不動産会社や法律の専門家と確認してください。認知症の診断名だけで契約能力は決まりません。内容を理解できない状態で署名や押印をしてもらえば解決する、と考えないようにしましょう。

親が契約できない場合は、後見等の支援方法を相談してください。後見人は、本人の利益や財産状況等を踏まえて裁判所が選任します。子が申し立てても、必ずその子が選ばれるとは限りません。裁判所「成年後見制度の概要」

施設へ入った後の旧自宅も、許可の対象になり得る

裁判所の案内では、居住用不動産に、現在住んでいる家、病院や施設への入所前に住んでいた家、将来住む可能性のある家が含まれます。

父が施設へ入り、父名義の旧自宅を後見人が売る場合も、居住用不動産の処分許可を確認してください。空き家になったことだけで、許可が不要になるわけではありません。

売却以外にも、抵当権の設定、賃貸借契約の締結・解除、建物の取り壊し等が処分に含まれます。親の住まいをどう扱うかという問題は、価格だけで決めない手続になっています。裁判所「家事事件Q&A」

保佐人・補助人は、不動産処分の代理権も確認

現在の支援者 売却前に確認すること
成年後見人 対象が居住用不動産なら事前の処分許可
保佐人・補助人が本人を代理 不動産処分の代理権と、居住用不動産の処分許可
子などの家族だけ 本人の契約能力、意思、代理権の有無
家族信託の受託者 信託財産か、契約上の処分権限、登記等

保佐人・補助人が本人に代わって売る場合は、不動産処分の代理権が付与されているかを確認し、処分許可を申し立てます。本人自身が契約する場合の同意等は、別に確認してください。肩書だけで売却権限が決まるものではありません。

任意後見や家族信託を利用している場合は、契約で任せている範囲を確認してください。法定後見の処分許可手続を一律に当てはめず、利用している制度に応じて相談しましょう。家族信託と成年後見の比較

売却理由と価格の根拠を、資料で説明する

処分許可の申立てには、一般に申立書、不動産の登記事項証明書、評価証明書、不動産業者の査定書、契約書案等を用意します。審理で追加資料を求められることもあります。裁判所「申立書と記入例」

介護費をまかなうためなら、預貯金の残高、毎月の不足額、売却後の生活費の見込みを整理してください。維持費を減らすためなら、税金、修繕費、管理の負担に加え、賃貸や保有を続ける案も比べましょう。

相談に備え、次をまとめておきましょう。

  • 親が家について話していた希望と、現在の意思確認の状況
  • 施設費、年金、預貯金等の収支と、売却が必要な理由
  • 登記、査定、売却条件、代金の管理先
  • 売却後の住まいと、戻る可能性への考え方

これらは、本人の生活のために売却が必要な理由を説明する資料です。家族の相続準備とは分けて整理してください。

例:介護費が月6万円不足するなら、売却代金の使途まで整理する

以下は架空の例です。父は施設に入り、年金等を差し引いて毎月6万円の不足があります。家族は旧自宅を売る案を考えていますが、父には「また家へ帰りたい」という言葉もあります。

まず、月6万円の不足が続くという仮定なら、年間の不足は72万円です。預貯金で当面支払えるか、家を保有するとどの程度の維持費がかかるか、父の住まいの選択をどう確保するかを並べます。数字だけで売却の適否が決まるわけではありませんが、何のためにいつまでに資金が必要かを説明する材料になります。

本人の言葉は、聞いた日と状況も添えて記録してください。一度の発言だけで意向を決めず、理解しやすい説明や支援の方法も相談しましょう。横浜家庭裁判所の売却関係資料にも、本人が希望を述べられるか、どのように述べているかを確認する項目があります。横浜家庭裁判所「後見Q&A・申立資料」

査定額ではなく、本人のために残るお金で比べる

査定が2,000万円の場合も、売却費用や清算する債務を差し引き、本人の手元に残る金額を計算してください。次の表は相談用の整理項目です。実際に発生する費用を、それぞれ確認しましょう。

見積もる項目 確認先・資料
売却価格の根拠 査定書、物件の状態、価格の前提
仲介・登記等の費用 不動産会社、司法書士等の見積もり
残置物や測量等 必要性と費用負担を契約案で確認
債務・税金の見込み 債務の資料、税理士等への確認

本人にとって売却価格と条件が妥当である根拠を、資料で説明してください。急いで安く売る案についても、その理由を確認します。裁判所の手続案内は、売却時の査定書や評価証明書等を資料に挙げています。裁判所「居住用不動産の処分許可」

不動産会社と法律の相談先には、別の質問をする

不動産会社には、査定の前提、買主との交渉状況、契約条件、引渡しまでの片づけや書類を聞いてください。法律の相談先には、本人の契約能力、後見等の権限、処分許可の対象、契約と許可の順序を確認します。

特に、次の質問は契約日を決める前に解消しましょう。

  • 父の旧自宅は、今回の処分許可の対象になりますか。
  • 保佐人・補助人が代理するなら、今の代理権で対応できますか。
  • 査定額や契約条件が変わった場合、何を追加報告・確認しますか。
  • 許可が出る時期を確定できない場合、売買の期限や条件をどう設計しますか。

大阪家庭裁判所は、事前に事情を連絡し、取引成立の一歩前で申し立て、取引日には余裕を持たせるよう案内しています。契約案の準備と、許可前に無条件で処分を確定させることは別です。具体的な契約と許可の順序を、担当裁判所へ確認してください。大阪家庭裁判所「各種申立て」

家族への売却なら、査定や許可を省けますか?

買主が家族でも、必要な処分許可を得るために、売却理由、価格の根拠、本人への利益を整理してください。買主と後見人等の具体的な関係を専門家に伝え、利益相反が生じないかも確認します。裁判所「利益相反の場合の特別代理人等」

許可が出るまで、実家に手を付けてはいけませんか?

売却、賃貸、取り壊し等の処分と、防犯や日々の管理では確認事項が異なります。先に売却前提で大きな工事や解体を決めず、雨漏り等の問題、管理に必要な支出、各行為の権限を分けて相談しましょう。

決済日を先に固定せず、裁判所に手続を確認する

大阪家庭裁判所は、必要な事情をあらかじめ裁判所に連絡し、交渉を進めて取引成立の一歩前に申し立て、取引日は余裕を持って設定するよう案内しています。審理期間を全国一律に「何日」とは見込めません。大阪家庭裁判所「居住用不動産処分許可申立て」

許可の申立手数料は収入印紙800円です。郵便料等は裁判所ごとに確認してください。仲介手数料、登記、税務等の費用は、この申立手数料と分けて検討します。

現在の制度では、売却後も本人への支援や財産管理が続きます。申立て前に、売却代金の管理と支援の見通しを相談してください。売却だけで後見が終了するわけではありません。

よくある疑問

兄弟全員が賛成すれば売れますか?

親本人の契約能力、代理権、必要な処分許可を確認してください。親の財産を売る手続きは、家族の合意だけでは進められません。

許可前に後見人が売却したらどうなりますか?

裁判所は、必要な許可を得ない処分は無効になると案内しています。契約・決済の順序と条件は、担当裁判所と専門家へ事前に確認してください。

空き家管理は何から始めればよいですか?

売却の結論を待つ間にも、防犯や管理費、郵便等の整理は必要です。親の家が空き家になったときの手続チェックリストを確認し、売却の権限と日常の管理を分けて進めましょう。

今回追加した手順の公式資料(確認日:2026年10月5日)

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