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親の遺言書が見つかったら|開封前の確認と家庭裁判所の検認

Featured image 558 38995783540be1f017f1d3b6b56196ad.png 相続・遺言・死後手続き

情報確認日:2026年10月2日

亡くなった親の部屋から遺言書らしいものが見つかったら、本文と封筒をそのまま保管してください。封印された遺言書は、自分で開封せず、封を保ってください。

自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所の「検認」が必要です。一方、公正証書遺言や、法務局の自筆証書遺言書保管制度で保管された遺言は、検認が不要です。

まずは保管方法と遺言の種類を確認し、必要なら親の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。検認は、遺言の状態を記録して偽造・変造を防ぐ手続きであり、遺言の有効・無効を決める手続きではありません。 裁判所:遺言書の検認

見つけた状態を保ち、保管場所と発見日を記録する

遺産を分ける前に、遺言書を発見した状態のまま保管してください。封筒も一緒に残しましょう。

  1. 本文、封筒、同封された財産目録などを一緒に保管する。
  2. 封印されている場合は、家庭裁判所での開封まで開けない。
  3. 発見した日、場所、保管していた人などをメモする。
  4. 公正証書の表示や、法務局の保管に関する書類がないか確認する。
  5. 検認が必要なものか、申立先の家庭裁判所へ確認する。

書き込み、訂正、貼り直し、ページの並べ替えは避け、元の状態を保ってください。写真を撮る場合も、封を保ったまま撮影しましょう。家族には原本の保管場所と手続きの予定を伝え、原本を回すことによる紛失を防いでください。

封筒に「遺言」と書かれていなくても、メモのような紙でも、そのまま保管してください。遺言としての効力は、形式や内容を確認して判断する必要があります。関連:遺品整理で捨ててはいけない物

検認が必要な遺言と、不要な遺言

見つかったもの・保管方法 検認の基本的な扱い
自宅などで保管されていた自筆証書遺言 原則として必要
封筒に入っていない自筆証書遺言 封筒がなくても原則として必要
秘密証書遺言 検認が必要
公正証書遺言 検認不要
法務局の保管制度で保管された自筆証書遺言 検認不要。遺言書情報証明書などを使う手続きを確認

検認の要否は、遺言の方式と保管方法で変わります。手書きでも法務局保管なら検認不要です。公証人が関わる秘密証書遺言と公正証書遺言も、それぞれ扱いが異なります。日本公証人連合会も、秘密証書遺言は家庭裁判所の検認が必要と案内しています。日本公証人連合会:秘密証書遺言

法務局保管の書類がある場合も、それが遺言書情報証明書なのか、保管を知らせる書類なのかを確認してください。家で見つかった下書きや別の遺言書と、法務局に保管された遺言を区別しましょう。

保管制度は、自筆証書遺言の内容が法的に有効であることを保証する制度ではありません。検認不要という点と、有効性の判断は別です。法務局:自筆証書遺言書保管制度

検認は遺言書の状態を記録する手続き

検認では、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認した時点の状態を明らかにします。相続人に遺言書の存在と内容を知らせ、後から書き換えられることを防ぐための手続きです。

次の事項は、検認とは別の手続きや相談で対応します。

  • 遺言が法律上有効かどうか。
  • 遺言に書かれた不動産が本当に親の所有物か。
  • 誰がどれだけ相続できるかについての争い。
  • 遺留分などをめぐる請求。
  • 銀行の預金払戻しや不動産の名義変更。

家族が内容に反対していても、検認は申し立てられます。有効性や権利をめぐる争いは、検認後も残る場合があります。そうした争いは、検認とは別に弁護士などへ相談してください。裁判所:家事事件Q&A

誰が、どこの家庭裁判所へ申し立てる?

申立てをするのは、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人です。申立先は、遺言者、つまり亡くなった親の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

発見した子の住所地、不動産の所在地、親の本籍地ではなく、親の最後の住所を基準にしてください。遠方に住んでいる人も、管轄と提出方法を確認しましょう。

遺言者が亡くなったことを知った後、遅滞なく申し立ててください。検認の期限は「発見から3か月以内」といった一律の日数ではありません。

相続人全員の同意を待たずに申し立てられます。連絡が取りにくい相続人がいる場合は、その事情と分かっている住所などを裁判所へ伝え、必要な調査・書類を聞いてください。

必要書類は家族構成によって変わる

裁判所の全国向け案内で示される主な書類は、次のとおりです。

書類 確認する内容
遺言書検認申立書 遺言者、申立人、相続人、申立ての事情など
遺言者の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍 親族関係と相続人を確認する
相続人全員の戸籍謄本など 現在の相続人を確認する
家族構成に応じた追加の戸籍 代襲相続、父母・祖父母、兄弟姉妹などが関係する場合に確認する
裁判所から個別に指定された資料 住所の確認や遺言書の写しなど、申立先の案内に従う

集める戸籍は家族構成によって増えます。すでに亡くなった子がいる、子がいない、兄弟姉妹やおい・めいが相続人になる場合などは、親と自分の戸籍に加えて必要なものを確認してください。

法定相続情報一覧図の写しを利用できる場合もあるので、すでに取得している人は申立先へ確認してください。手元の相続手続き用の書類を示して、省略できる戸籍と別に必要な資料を聞いてください。

取得できない戸籍がある場合、裁判所の全国案内では、申立て後に追加提出する扱いも示されています。足りない書類を勝手に省くのではなく、何が取れないのかを相談してください。全国共通の申立案内、申立書・記入例

原本をいつ提出するかは、申立先に確認する

東京家庭裁判所は、遺言書の原本は申立時に提出せず、検認期日当日に提出すると案内しています。封印された遺言書について、コピーを作るために勝手に開封してはいけません。

申立書に同封するものと、当日持参するものを分けて確認しましょう。現在戸籍の発行時期などは、申立先の裁判所の案内で確認してください。裁判所ごとの条件があるためです。東京家庭裁判所:遺言書検認

申立手数料は一通800円。郵便料・証明書の手数料などもかかる

2026年10月2日に確認した裁判所の案内では、申立ての手数料は、遺言書一通につき収入印紙800円分です。封書の場合は、封書一通を単位に数えます。

費用 基本の扱い
検認の申立手数料 遺言書・封書一通につき800円分の収入印紙
裁判所からの連絡用郵便料 金額・納付方法は申立先へ確認
検認済証明書の申請手数料 遺言書一通につき150円分の収入印紙
戸籍などの取得費・交通費 別にかかる
専門家へ依頼する場合の報酬 依頼範囲と見積りによる

連絡用郵便料は、裁判所や送付先の数などで変わります。切手を買う前に、申立先へ種類・金額を確認してください。

自分で申立てをすることもできます。書類収集だけを頼むのか、申立書作成なども頼むのかによって専門家への依頼内容が変わるため、費用の内訳を確認してください。費用の根拠:裁判所

申立てから検認当日までの流れ

1.管轄と提出書類を確認する

親の最後の住所を確認し、家庭裁判所の公式案内から申立書と必要書類をそろえてください。郵送提出の可否、送付先、原本の扱いなど、分からない点は提出前に聞きましょう。

2.申立書・戸籍・手数料などを提出する

相続人の氏名・住所を正確に記入し、連絡が取れない人や書類が不足する事情があれば説明してください。不備の連絡を受けたら、指定された資料を追加しましょう。

3.裁判所から検認期日の通知を受ける

裁判所から相続人へ期日が通知されます。日程が決まるまでの時間は、裁判所や書類の状況によって異なります。銀行や不動産の手続きは、実際の進捗を確認して予定を組んでください。一か月で終わるとは限りません。

4.申立人が原本などを持参する

申立人は、遺言書原本など、裁判所から指示された物を持参します。封印された遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもと開封されます。

申立人以外の相続人の出席は任意です。全員がそろわなくても、検認は行われます。

5.検認済証明書と、次に使う書類を確認する

検認を受けた遺言に基づいて相続手続きを進めるには、検認済証明書を申請し、遺言書に付けてもらいます。これを付けた遺言書などを、預金や不動産の相続手続きで使うことになります。ただし、提出先ごとに必要書類が異なるので、銀行・法務局などへ確認してください。裁判所:検認後の証明書

開封済みでも保管し、開封の経緯を裁判所へ伝える

開封したことだけで遺言書が無効になるわけではありません。封印された遺言書は家庭裁判所で開封する決まりなので、すでに開けた場合も手続きを進めてください。

すでに開けた場合は、本文と封筒をそのまま保管し、いつ、誰が、どのように開封したかを整理して、家庭裁判所へ伝えてください。開封後の状態を保ち、封の貼り直しや封筒の廃棄は避けてください。東京家庭裁判所:検認の説明

書き換えや破損が疑われる、原本がない、複数の遺言がある場合は、それぞれの資料を保存してください。日付が新しい一通だけでなく、古いものも残し、資料一式を示して相談しましょう。

検認を待つ間も、相続放棄などの期限は別に進む

遺言書が見つかっても、相続の各手続きの期限は別に進みます。借金の可能性がある人は、とくに放棄の期限を確認してください。

相続放棄などを判断する期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月です。財産調査が終わらず判断できない場合は、家庭裁判所へ期間伸長を申し立てる制度があります。検認が終わっていないことだけで自動延長されるものではありません。裁判所:承認・放棄期間の伸長

相続税の申告が必要か、相続登記をいつまでに行うかも、別に確認してください。裁判所の検認期日を待っている間に、次の相談は進められます。

  • 預金・借入れ・不動産などの財産調査。
  • どの戸籍が必要かの確認。
  • 相続放棄を検討する必要があるかの相談。
  • 税務署・税理士への申告要否の確認。
  • 遺言執行者が指定されているかなど、今後の手続きの確認。

遺産を処分することと、資料を集めて相談することは区別してください。放棄を検討している人は、とくに財産処分の前に確認が必要です。関連:相続放棄の期限・必要書類

検認後は銀行・法務局などで相続手続きを進める

やりたいこと 次に確認する相手・資料
親の預金を相続する 金融機関へ、遺言書・検認済証明書ほか必要書類を確認
土地・建物の名義を変える 法務局・司法書士へ、登記と相続関係の書類を確認
遺言執行者の手続きを進める 遺言の指定内容と、必要に応じ家庭裁判所の手続きを確認
遺言の有効性や内容を争いたい 弁護士などへ資料一式を示して相談

検認済証明書を受け取った後は、名義変更や払戻しなど、次に必要な手続きを決めてください。原本を提出する相手が複数ある場合は、返却の扱いも確認しましょう。

関連:相続の戸籍集めと法定相続情報一覧図、相続登記の必要書類・費用

よくある質問

封筒に入っていなければ検認は不要ですか?

自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、封筒や封印がなくても原則として検認が必要です。

家族全員が内容に納得していれば省略できますか?

必要な検認を、家族の同意だけで省略することはできません。公正証書遺言など、制度上検認が不要な場合かどうかを確認します。

遺言に自分の名前がありません。検認に関係ありませんか?

財産を受け取る人として書かれているかと、相続人であるかは別です。申立てでは相続人を確認し、裁判所から通知が行われます。

印鑑がない、日付がおかしい遺言なら捨ててもよいですか?

そのまま保管してください。有効性の判断と、遺言書の状態を記録する検認は別です。気になる点をメモして、裁判所や弁護士へ相談しましょう。

親がまだ生きている間に見つけた遺言も検認しますか?

この記事の検認は、遺言者が亡くなった後の手続きです。生前の書類を家族が無断で開封・変更せず、本人の意思と保管方法を尊重してください。

出典

郵便料・書類の扱い・日程は申立先の最新案内を確認してください。遺言の有効性や相続をめぐる争いは、個別事情に応じた相談が必要です。

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