本文へ移動

亡くなった親名義の不動産を調べるには?所有不動産記録証明書の使い方

Featured image 555 1b37173064bef06271404c9bf8b9ae1f.png 相続・遺言・死後手続き

情報確認日:2026年10月2日

親名義の土地・建物は、法務局の「所有不動産記録証明書」で調べられます。実家以外にも土地があるらしいのに、場所や地番が分からないときの手掛かりになります。

これは、氏名・住所などの条件から、登記上その人が所有者となっている不動産を検索し、一覧にする制度です。2026年2月2日に始まりました。ただし、親の全財産を自動的に調べ尽くす証明書ではありません。 古い住所のままの登記、祖父母名義の土地、未登記の建物などは、別の確認が必要です。

まず親の氏名・住所の履歴と、不動産関係の書類を集めてください。その情報で証明書を請求し、結果を納税通知書や登記事項証明書と照合します。制度の概要・請求方法:法務省

親の氏名・住所の履歴と不動産の書類を集める

手元の書類から検索条件を選び、法務局の結果で物件を探してください。家の資料や役所への問い合わせも使い、次の順で調査先を絞ります。

  1. 固定資産税の納税通知書・課税明細書、権利証、登記識別情報通知、不動産の売買契約書を保管する。
  2. 親の最後の住所だけでなく、以前住んでいた住所や旧姓を整理する。
  3. 所有不動産記録証明書を請求する。
  4. 出てきた土地・建物の登記事項証明書を取り、所有者・持分などを確認する。
  5. 証明書と手元の資料が合わない部分を、市区町村や法務局で調べ直す。

郵便物には、山林の管理、土地改良区の賦課金、賃料、共有地の連絡など、物件を知る手掛かりが含まれることもあります。財産調査が終わる前に、書類をまとめて処分しないでください。

相続財産には借金なども含まれます。負債が疑われる場合は、不動産調査と法律相談を並行してください。調査の回答待ちでも、相続放棄などの判断期限は進みます。関連:親が亡くなった後の遺品整理、相続放棄の期限と手順

証明書で分かるのは、登記上の土地・建物の所在

この証明書は、親の氏名・住所などを指定して、登記上の土地・建物を探すものです。物件の場所から一件ずつ調べる通常の登記調査と異なり、離れた地域の不動産も探す手掛かりになります。

一方、結果は請求した検索条件と登記記録に左右されます。

確認したいこと この証明書の役割
親の名義で登記された土地・建物の所在 検索条件に合う記録を一覧で確認する
実家以外の土地があるか 調査の手掛かりになるが、漏れがない保証ではない
住宅ローンや抵当権の詳しい内容 各物件の登記事項証明書などで別に確認する
不動産の価格・相続税評価額 この証明書だけでは判断できない
預金・株式・借金など 検索対象ではない
誰がその不動産を相続するか 遺言や遺産分割などによって別に決める

子へ名義を移すには、相続登記を別に進めます。証明書の取得、遺産分割、相続登記は、それぞれ別の手続きです。

請求できるのは登記名義人本人や、その相続人など

請求できるのは、所有権の登記名義人本人、その相続人などの一般承継人です。代理人による請求もできます。

親が亡くなっている場合は、自分が相続人であることを戸籍や法定相続情報一覧図などで示してください。親子関係や同居の説明に加え、資格を確認する書類が必要です。

生存している親の不動産は、親本人が請求するか、適切な代理権を用意して代理請求します。子が自分の資格で自由に調べられる制度ではありません。親の判断能力に不安がある場合は、家族が代わりに署名・押印する前に、法務局や専門家へ相談してください。

代理請求では、請求人の実印を押した委任状と印鑑証明書などが必要です。窓口へ行く家族が請求人なのか、代理人なのかを決め、書類を準備してください。請求資格・代理人の書類:法務省

本人確認・相続関係・過去の氏名や住所を示す書類

亡くなった親について相続人が請求する場合、準備する資料は次のように整理できます。実際の添付書類は、請求方法と検索条件によって変わります。

書類・情報 何を確認するためか
所有不動産記録証明書交付請求書 請求人、親の氏名・住所などの検索条件、通数を指定する
請求人の印鑑証明書など 請求人の本人確認をする
戸籍謄本などの相続関係を示す資料 親が亡くなり、請求人が相続人であることを示す
法定相続情報一覧図の写しなど 相続関係を示す資料として利用する。戸籍一式と必ず両方が必要という意味ではない
住民票の除票、戸籍の附票など 親の住所履歴など、指定する検索条件を裏付ける
委任状・請求人の印鑑証明書 代理人が手続きする場合に用意する

窓口なら本人確認書類で請求できる場合がある

本人が窓口で書面請求する場合は、印鑑証明書に代えて、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類の写しを使う方法があります。原本の提示も必要です。

本人確認書類の提示で請求する方法は、窓口の書面請求に限られます。郵送する場合は、必要書類を別に確認してください。印鑑証明書を使う場合は請求書に実印を押します。添付する印鑑証明書に、制度上の発行期限はありません。

原本を返してほしい書類は、提出前に準備する

原則として書類の原本を提出します。法務省の案内では、印鑑証明書と委任状を除く対象書類は、原本とコピーを出すことで、手続き後に原本を返してもらえます。コピーには、原本と相違ない旨と請求人本人の記名が必要です。

同じ戸籍を別の相続手続きにも使うなら、提出前に原本の返却を希望することを伝え、コピーの作り方を確認してください。

法定相続情報番号や戸籍電子証明書提供用識別符号などを提供し、対象書類の提出に代えられる場合もあります。すでに取得している人は、請求先に利用方法を確認してください。関連:相続の戸籍集めと法定相続情報一覧図

検索条件は最後の住所だけにしない

親が引っ越した後、不動産の登記上の住所を変えていなければ、最後の住所だけでは見つからないことがあります。旧姓や氏名変更がある場合も同様です。

手元の登記関係書類と戸籍の附票などで、「その土地を取得した頃、どの氏名・住所を使っていたか」を確認してください。

たとえば、現在の氏名・住所と以前の住所を指定する場合は、それぞれの検索条件欄へ記入してください。一つの欄に複数の住所を並べる方法ではありません。請求書一枚で複数条件を指定できますが、条件数が増えると手数料も増えます。

検索には文字の表記揺れへ対応する仕組みがあります。対応できない異体字や、検索条件に入れなかった過去の住所には注意が必要です。同名異人の物件も抽出される可能性があるので、取得経緯や手元の記録と照合してください。

現在と過去の氏名・住所を記入するときは、公式ページの請求書記載例を参照してください。必要な情報を省略せず、欄ごとの条件を記入します。請求書・記載例・検索の仕様

手数料は検索条件一件・証明書一通ごとにかかる

2026年10月2日に確認した法務省の手数料は、検索条件一件につき、証明書一通当たり次のとおりです。

請求と受け取りの方法 手数料
書面請求 1,600円
オンライン請求・郵送交付 1,500円
オンライン請求・窓口交付 1,470円

書面請求で検索条件を二件、各一通指定する例なら、2件×1通×1,600円=3,200円です。数えるのは検索条件で、見つかった不動産の件数ではありません。

これに、戸籍などの取得費、郵送に必要な費用、専門家へ依頼する場合の報酬などが別にかかります。該当する不動産がないという結果でも、検索の手数料は返却されません。

安くするために古い住所を省くと、調査したい物件を落とすこともあります。検索条件は料金だけでなく、手元の資料との対応で決めましょう。手数料の根拠

窓口・郵送・オンライン、どの方法を選ぶ?

窓口:書類と検索条件を確認しながら進めたい人向け

全国の法務局・地方法務局の登記所で請求できます。物件がある地域へ一件ずつ出向く必要はありません。

請求先へ、相談予約の要否、受付窓口、交付までの日数を確認してください。窓口で請求しても、即日交付とは限りません。登記所の管轄・所在地一覧

郵送:遠方でも請求できるが、添付書類を先に確認する

郵送する場合は、書面の請求書、必要な証明書類、手数料の収入印紙などをそろえてください。郵送交付には返送用封筒と切手も必要です。窓口で本人確認書類を提示する方法は使えないため、送る前に請求先の案内と照合します。

戸籍などの原本を返してもらう場合は、その準備も同封前に済ませてください。不備の補完に時間がかかる場合があるので、日中連絡のつく連絡先を正確に記載します。

オンライン:請求も添付書類も電子的に用意できる人向け

オンラインでは、登記・供託オンライン申請システムの申請用総合ソフトを使います。所定の様式へ入力し、電子署名を付けて請求してください。

オンライン請求では、必要書類をすべてオンラインで提供し、添付書類の補完はできないと案内されています。手数料を比べる前に、使える電子情報と環境を確認してください。紙の戸籍しかない場合は、必要な準備ができるかを先に確かめます。オンライン請求で郵送交付を選ぶ場合は、返送用封筒・切手の提出は不要です。申請用総合ソフトの公式案内

証明書が届いたら、物件ごとの登記と照合する

土地と建物は別々に確認してください。実家の土地が一覧にあっても、家屋や私道の持分まで出ているかは、別に確かめます。

届いた証明書から、次の項目を一覧へ記録してください。調査した物件と未確認の物件が分かるようにします。

記録する項目 確認のしかた
土地・建物の区分、所在地、地番・家屋番号 証明書と登記事項証明書の表示を転記する
所有者と持分 親単独か共有か、別人や祖父母の名義ではないか確認する
手元の資料との対応 納税通知書・権利証などと結び付ける
抵当権など 登記事項証明書を取り、必要な確認先を記録する
次の作業 相続登記、税の確認、管理、追加調査などを分ける

登記の地番と、郵便物の住所は一致しない場合があります。同じ土地かどうかは、地番・家屋番号まで照合してください。

「該当なし」だったときに確認する五つのこと

「該当なし」は、指定した検索条件で対象記録が抽出されなかったという意味です。親の不動産が一切ないと判断する前に、次の五点を確認してください。

  1. 昔の住所・旧姓が残っていないか。 取得当時の契約書、住民票の除票、戸籍の附票などを確認する。
  2. 祖父母など別の人の名義ではないか。 親が管理していた土地でも、親への相続登記が済んでいない可能性がある。
  3. 所有権の登記がない物件ではないか。 未登記建物や、表示に関する登記しかない物件は対象外になる。
  4. コンピュータ化されていない登記ではないか。 法務省はこの場合も抽出されないと案内している。
  5. 直近の登記が反映されているか。 審査中の登記申請など、検索時点で反映されていない情報は含まれない。

地域に心当たりがあれば、その市区町村の固定資産税担当へ、名寄帳などで調べる方法を相談してください。税の資料にも、非課税の土地や共有の扱いなどの注意点があります。法務局の結果と突き合わせ、食い違う物件を追加調査します。

調べ終えた後は、相続登記と税の期限を別々に管理する

相続登記、相続放棄、相続税申告は、期限の起算点と条件が異なります。証明書を取得した日を共通の起算日にせず、手続きごとに確認してください。

手続き 期限を確認するときの基本
相続登記 相続の開始と、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内。2024年4月1日より前に取得を知っていた未登記の相続は、原則2027年3月31日まで
相続放棄など 自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月。判断に必要な調査が終わらない場合、家庭裁判所へ期間伸長を申し立てる制度がある
相続税の申告・納税 申告が必要な人は、相続開始を知った日の翌日から原則10か月以内。遺産分割が未了でも自動的には延びない

古い相続でも、不動産の取得を知ったのが2024年4月1日以降なら、その日から3年以内が基本です。遺産分割成立後の登記義務など、事情に応じた追加の確認もあります。相続放棄等の熟慮期間を伸ばすには、申立てと裁判所の判断が必要で、調査中というだけでは自動延長されません。相続登記:法務省、期間伸長:裁判所、未分割の相続税:国税庁

物件が見つかったら、誰が相続するかを確認し、遺言や遺産分割に応じて登記を進めてください。過去の相続が未登記のまま重なっている場合や、相続人同士で意見が分かれる場合は、早めに司法書士や弁護士へ相談し、調査する範囲を決めましょう。

関連:相続登記の必要書類・費用・期限、相続税がかかるか確認する方法

よくある質問

相続人全員で請求しないといけませんか?

相続人であることを示せる人が請求できます。提出する戸籍などで自分の資格を確認できるか、請求先へ相談してください。誰が不動産を取得するかを決める遺産分割は、別の手続きです。

親が元気なうちに、自分の不動産を一覧にできますか?

できます。登記名義人本人も請求できます。生前に財産を整理する場合も、昔の住所や旧姓の検索漏れに注意してください。調査結果を家族へどう引き継ぐかも決めておきましょう。

証明書だけで相続登記を申請できますか?

できません。不動産を把握する資料であり、相続関係や取得者を示す資料などは別に必要です。申請に必要な書類は、相続の事情によって変わります。

何日で届きますか?

交付までの日数は法務局ごとに異なります。提出先へ、請求方法と検索条件を伝えて確認してください。制度開始当初の混雑の目安は、現在の全国共通の日数ではありません。

家族の名前で検索して、第三者の不動産も調べられますか?

請求には、資格と本人確認が必要です。他人の資産一覧を誰でも取得できる制度ではありません。同名異人の物件が出た可能性がある場合は、親の遺産に含める前に法務局へ確認してください。

請求前のチェックリスト

  • 親の最後の住所だけでなく、不動産を取得した頃の住所・氏名を確認した。
  • 請求人の本人確認と、相続関係を示す資料を用意した。
  • 代理請求、郵送、オンラインのどの方法か決め、その方法の必要書類を確認した。
  • 検索条件の件数と請求通数から手数料を計算した。
  • 証明書の結果を照合する納税通知書や登記関係書類を保管した。
  • 該当なしや祖父母名義だった場合の追加調査を予定した。

一覧に出た物件を登記や税の資料と照合し、出なかった手掛かりも調べてください。追加調査まで進めることで、相続登記の漏れを減らせます。

出典・関連する公式案内

制度・手数料は上記確認日時点です。請求時は公式の最新様式と請求先の案内を確認してください。

ほかの記事を探す
ホームで目的から探す →
タイトルとURLをコピーしました