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成年後見制度の費用はいくら?申立て・後見人報酬・監督人の負担を分けて考える

成年後見制度の費用はいくら?申立て・後見人報酬・監督人の負担を分けて考える 成年後見・財産管理

成年後見には、申立ての費用と、利用開始後の報酬・事務経費があります。まず「始める費用」と「続ける費用」を分けて確認してください。実際の負担は、申立ての内容や、後見人等の報酬が認められるかによって変わります。

ここでは、判断能力が不十分になった人のために家庭裁判所へ申し立てる、法定後見を中心に説明します。任意後見の契約費用とは区別します。

図解:成年後見の費用を分ける

成年後見の費用を分ける。申立ての実費だけで、総額を決めない
報酬は裁判所が決定。地域の目安は全国定価ではない。 図解は当サイト作成。出典:裁判所:報酬の付与等、本文の資料。2026年10月1日確認。

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図解の内容を文章で読む
  1. 初期費用:裁判所の手数料・書類・依頼料
  2. 継続費用:後見人・監督人の報酬など
  3. 臨時・個別の費用:鑑定・個別手続・実費を確認
  4. 負担と支援:誰が負担するか、助成条件も確認

報酬は裁判所が決定。地域の目安は全国定価ではない。

申立手数料に、書類取得費・郵便料などを加える

後見開始の申立手数料は収入印紙800円分、登記手数料は2,600円分です。これに連絡用の郵便料、戸籍などの取得費、診断書料等が加わります。郵便料は申立先によって異なります。保佐・補助で代理権等を求めるときは、追加の申立手数料も確認します。裁判所「後見開始」

費用の種類 確認すること
裁判所に納める費用 類型、追加申立て、郵便料の最新案内
書類の費用 診断書、戸籍、住民票、証明書の取得費
鑑定費用 鑑定が必要か、事前に納める費用(予納額)はいくらか
専門家への依頼費 書類作成や申立代理の範囲、実費を含むか
利用開始後の費用 後見人・監督人の報酬、事務の経費

医師の診断書と、裁判所が必要に応じて行う鑑定は別です。鑑定が必要な場合は、その費用も準備します。全員に必ずかかる費用として計算せず、裁判所の案内で必要かを確認してください。

弁護士や司法書士へ申立てを依頼する場合は、見積書で仕事の範囲を確認してください。申立て準備の依頼料と、利用開始後の後見人報酬は、どこまで含まれるかを分けて聞きます。厚生労働省「法定後見制度とは」

報酬は裁判所が決める。地域資料は目安として読む

法定後見の報酬は、後見人等の申立てを受けて家庭裁判所が決めます。報酬を認める審判が出た後に、認められた額を本人の財産から受け取ります。後見人自身の判断だけで、報酬として引き出すことはできません。裁判所「報酬の付与」

地域資料の一例として、横浜家庭裁判所の2025年4月1日付資料では、専門職が通常の後見事務を行う場合の基本報酬の目安を次のように示しています。

預貯金・有価証券等の管理財産額 同資料の月額目安
1,000万円以下 2万円
1,000万円超~5,000万円以下 3万~4万円
5,000万円超 5万~6万円

この表は、横浜家裁が示す地域の目安です。報酬は、事務内容や本人の財産等を考慮し、個別に決めます。特別に困難な事務では、追加の報酬である「付加報酬」が認められる場合もあります。全国一律の料金表として使わないようにしてください。横浜家庭裁判所「成年後見人等の報酬額のめやす」

最高裁家庭局は、2025年7~12月に全国の家庭裁判所で認められた報酬付与事件の調査結果を公表しています。この資料は、実際に決まった報酬額の分布です。報酬の対象期間が12か月以外の事件も含むため、掲載額を一律に12で割って「平均月額」とは読めません。将来の報酬額は、個別の審判で決まります。最高裁家庭局「報酬に関する実情調査」

監督人が選ばれた場合は、その報酬も確認する

後見監督人が選任された場合、その報酬も検討が必要です。横浜家裁の同資料では、通常の監督事務について、管理財産額5,000万円以下なら月1万~2万円、5,000万円超なら月2万5,000~3万円を目安としています。

仮に後見人分を月2万円、監督人分を月1万円として家計への影響を試算すると、1年で36万円です。これは説明用の計算で、選任の有無や実際の審判額を予測したものではありません。月額の印象だけでなく、年単位で生活費と並べると負担を把握できます。

払えないときは、申立て前から助成を相談する

自治体の成年後見制度利用支援事業では、申立費用や報酬の助成を受けられる場合があります。対象者、上限、期限は自治体ごとに確認してください。

法テラスの民事法律扶助では、要件を満たす人が、法律相談や弁護士・司法書士費用等の支援を受けられます。費用は通常、法テラスがいったん支払う「立替え」です。継続する後見人報酬の自治体助成は、別の制度として調べてください。法テラス「民事法律扶助業務」

具体的な確認項目は費用を払えないときの相談先で整理しています。

相談には本人の収支を持っていく

本人の年金等の月収、家賃や施設費、預貯金残高を一枚にまとめてください。「報酬を払った後も生活費が足りるか」を相談します。財産額に加え、毎月の収入と支払いを見ることが必要です。

依頼する専門家には、申立て費用の見積り、今後想定される事務、監督人が選任された場合の負担を聞いてください。相談段階では負担の見通しを確認し、報酬の確定額は裁判所の審判で確認します。

家族が先に払った申立費用は、本人から返してもらえる?

家族が先に用意するお金と、最終的な負担者を分けて確認してください。東京家裁の手引では、申立手数料、登記手数料、裁判所が使用した郵便料、鑑定費用を、開始審判で本人負担とする運用を説明しています。診断書料や代理人の弁護士報酬、司法書士の書類作成費用等は、原則として申立人負担です。東京家庭裁判所の手引・3頁

申立先や依頼する専門家へ、本人負担を求められる費目、必要な手続き、精算の時期を聞いてください。「親のために支払った」という理由だけで、すべて親の口座から精算できるとは限りません。領収書には、費用の内容と支払った人を記録し、支出を分けて保存します。

例:子が申立て準備を担う場合

これは架空の相談例です。子が診断書を取り寄せ、専門家への依頼料も払いました。後から「全部立替えだった」と主張しても、全額の精算が当然に認められるわけではありません。依頼前に、裁判所へ納める手続費用、書類取得費、専門家への依頼料を別の行に書き、誰の負担になる見込みか説明を受けると、家族間の行き違いを減らせます。

見積書には「金額」と一緒に支払時期を書く

法定後見の報酬は、家庭裁判所の審判で認められた後に、本人の財産から受け取ります。年単位で家計への影響を試算するとともに、実際に支払う時期を確認してください。月額の目安が、そのまま毎月の自動引落額になるわけではありません。裁判所「報酬の付与」

家計表には、普段の生活費と分けて、報酬の支払いに備える欄を設けてください。その金額には「相談段階の見通し」と注記し、裁判所が決めた額と区別します。固定資産税や保険料など、年に数回の支出も同じ表で確認しましょう。

専門家には、次の点を聞くと見積りを比較しやすくなります。

  • 書類を集める作業、裁判所への提出、追加照会への対応のうち、何が依頼料に含まれるか。
  • 実費と消費税の表示はどうなっているか。追加費用が生じる場合は、いつ説明を受けられるか。
  • 申立て準備の依頼と、将来後見人等に選任された場合の仕事は、どう区別されるか。
  • 本人の生活費が不足しそうなとき、報酬や助成をどの段階で相談するか。

そのまま使える費用確認メモ

次の表に分かる範囲を記入し、未定の項目は相談時に質問してください。金額が決まっていない欄を、ネット上の相場で埋める必要はありません。

記録欄 書く内容
費目・依頼先 印紙、診断書、書類作成、報酬など
金額の状態 確定額/見積額/未定
用意する人・支払時期 誰が、いつまでに用意するか
最終負担と精算 本人負担の可否、領収書の保存先
支援の相談 助成・立替えの担当窓口と回答日

相談後は「説明を受けた見込み」と「審判で決まった額」を書き分けてください。施設費等で預金が減り続けている場合は、残高に加え、その推移も伝えます。

報酬額に不満があれば、家族が支払いを減らせますか?

審判額を家族だけの判断で減らすことはできません。後見人等へ、報酬の対象期間と事務内容の説明を求めてください。生活費の不足や手続き上の疑問は、裁判所・相談窓口へ伝えます。本人に代わって手続を行う権限があるかは、疑問を相談することとは別に確認してください。

よくある疑問

家族が後見人なら必ず無料ですか?

親族でも、報酬を求めて裁判所へ申し立てることができます。報酬を求める予定と事務経費を聞き、家族が後見人になった場合の費用を確認してください。

一度だけ預金を動かしたら費用も終わりますか?

現行制度では、預金の手続が終わった後も後見は続きます。利用が続く期間を見込んで、費用を相談してください。

本稿は2026年10月1日時点の現行制度を説明しています。2026年に成立した改正法の成年後見の見直しは、公布から2年6か月以内の政令で定める日に施行される仕組みです。成立と施行は区別してください。法務省の案内/2026年改正と現行制度の違い

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