親のおむつ代は、病気等によりおおむね6か月以上寝たきりで、医師の治療のもとで使用が必要と認められる場合などに医療費控除の対象になります。申告する人は、領収書と、医師の「おむつ使用証明書」か、要件を満たす自治体の確認書等を用意します。対象になるかは、使用の必要性と証明の内容で判断します。
情報確認日:2026年10月5日。窓口、様式、受付方法は手続きをする地域・機関の最新案内を確認してください。
手続きの前に用意するもの
- 申告したい年ごとに分けたおむつ代の領収書・購入明細
- 親の介護保険被保険者番号、認定期間、利用した医療機関の情報
- 過去におむつ代の控除を受けた年と、誰が申告したかの控え
- 実際に支払った人、親との生計関係、購入費に対する助成・補填の記録
1. 何年分を、誰が申告するか決める
申告する人は、「2025年分の支出を申告する」のように対象年を決めてください。手続きをする年と、支払った年は区別します。医療費控除は原則として実際に支払った年の医療費で計算するため、注文日と支払日を確認します。
控除を受けるのは、自分または生計を一にする親族の医療費を実際に負担した人です。親の年金から払った分は、子の税金の高さを理由に、子の支出として申告できません。別居している親の場合は、生活費の送金等を基に、生計を一にする関係かを判断します。
家族で、申告する人と対象年を記録してください。同じ支出を、親と子やきょうだいが重ねて申告することを防げます。
ここまでの完了目安:対象年、支払った人、申告する人が一致していることを確認した。
2. 対象年と控除の利用歴に合わせて、証明書を選ぶ
基本の書類は、医師の「おむつ使用証明書」です。要介護認定に使った主治医意見書の内容等が要件を満たす人は、市区町村の確認書などで代えることもできます。
2024年(令和6年)分以降は、初めておむつ代を控除する年でも、要件を満たせば自治体の確認書を使えます。対象年に合った案内で、証明の取り方を選んでください。以前の案内には、初年と翌年以降で取り方を分けたものもあります。
2023年分以前をさかのぼって申告する人は、その年に適用される扱いを確認してください。初年・2年目以降のどちらになるか迷う場合は、以前の申告内容を持って自治体へ相談します。
ここまでの完了目安:対象年に合う案内を選び、自治体に確認するか医師へ依頼するか決まった。
3. 自治体へ確認書の発行対象か問い合わせる
家族は、親の介護保険を扱う市区町村へ、確認書の申請先を問い合わせます。2024年分以降の初年は、おむつを使用した年の認定と、それを含む連続した認定の有効期間が確認の対象です。対象年以降の期間の合計が6か月以上になることなどが条件となります。主治医意見書の寝たきり度と失禁に関する記載にも条件があります。
2年目以降は、自治体が原則として使用した年に作成された主治医意見書を確認します。その年に作成されていない場合も、有効期間が13か月以上の認定に係る意見書を使える場合があります。家族は認定期間を伝え、使える意見書を自治体に照会してください。香芝市の2024年分以降の案内と久喜市の確認書の案内に、確認する条件が掲載されています。
「親の〇年分のおむつ代を申告したいです。おむつ代の控除は初めて/2年目以降です。被保険者番号は〇、認定期間は〇です。主治医意見書から確認書を発行できますか。代理申請の書類、費用、受取までの日数を教えてください」
親が転居した場合は、どの自治体が主治医意見書を保管しているかも確認してください。確認書の発行対象外と言われた場合は理由を聞き、医師の証明書を使う方法を相談します。
ここまでの完了目安:確認書の可否、申請先、必要書類、交付時期がわかった。
4. 確認書または医師の証明書を取得し、対象期間を見る
申請する家族は、自治体の申請書に対象年、親の情報、自分の情報を記入します。本人確認、委任状、郵送時の返信用封筒などは申請先の要件に従います。確認書の名称は自治体により異なります。
医師の証明を使う家族は、おむつの使用期間と申告対象年を伝え、「おむつ使用証明書」の発行を相談します。費用と日数は、医療機関に事前に聞いてください。必要な証明書を確かめてから依頼すると、別の診断書を取り直す費用を避けられます。
受け取った家族は、氏名、対象年、証明された期間、証明日、発行者を確認してください。年の途中から対象となる場合は、どの購入費を申告できるか税務署に相談します。
ここまでの完了目安:申告年と本人が一致する証明・確認書類を受け取り、対象期間を確認した。
5. 領収書を集計して医療費控除の明細書に反映する
申告する人は、購入日、購入先、品目、金額が分かる領収書・明細をそろえます。日用品と一緒に買った分は、おむつ等の対象額を抜き出してください。通販では、注文履歴に加え、支払額が分かる資料を保管します。
施設からおむつ代も請求された場合は、その費用がすでに医療費控除の対象額に含まれているか、申告する人が施設に確認してください。含まれている分を別に加えると、二重計上になります。購入費への給付・助成がある場合は、その金額をどう扱うか税務署に確認します。
医療費控除は、税額の計算に使う所得を減らす仕組みです。対象のおむつ代を他の対象医療費と合計して、控除額を計算します。減税や還付の額は、この控除を反映した税額の計算で決まります。
ここまでの完了目安:対象分だけの集計ができ、二重計上や補填の見落としがない。
6. 申告し、証明書と領収書を保存する
申告する人は、確定申告書に医療費控除を反映します。国税庁は、おむつ使用証明書等について、証明年月日・証明書名・証明者名を医療費控除の明細書の欄外等に記載することで添付等を省略できると案内しています。省略した書類と領収書は、確定申告期限等から5年間保存します。国税庁の手続Q&A(Q2)で確認できます。
電子申告する人は、対象年の作成画面の案内に従って送信し、結果と申告書の控えを保存します。確認書は、控除を申告するための資料です。添付の省略方法に迷う場合は、提出前に税務署へ聞いてください。
申告義務のない人が還付申告する場合は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間です。国税庁の還付申告の案内を確認してください。すでに申告済みなら、申告を訂正して税額を減らす『更正の請求』等を確認します。親が亡くなり親本人の所得を申告する場合は『準確定申告』になるため、同じ期限を当てはめず税務署へ確認してください。
ここまでの完了目安:申告の受付・送信を確認し、対象年ごとの控えと証拠書類を保管した。
年の途中で亡くなった・引っ越した場合
死亡や転居があった年も、使用期間、認定内容、実際の支払い、申告する人を基に確認します。家族は、その情報を自治体と税務署へ伝えてください。親と子の申告はそれぞれ準備し、必要な証明がそろう時期を見込んで早めに依頼します。
あわせて確認したい手続き
出典・確認先
- 国税庁|医療費を支払ったとき
- 国税庁|医療費控除に関する手続について
- 姫路市|おむつ代の医療費控除に係る確認申請
- 香芝市|おむつ代に係る医療費控除について(令和6年分以降)
- 久喜市|おむつ使用の確認書
あわせて確認したい手続き(政経プラスの姉妹サイト)
- 医療費が高いときの支援一覧:高額療養費などの対象と申請先(給付金プラス)
- 負担限度額認定証は引越しで引き継げる?:転居時の食費・居住費の再申請(移住・引越し手続きナビ)

