本文へ移動

親を扶養に入れる条件|税の扶養控除と健康保険の扶養の違い・年金額の目安と手続き

親を扶養に入れる条件|税の扶養控除と健康保険の扶養の違い・年金額の目安と手続き 介護費用の負担軽減

親を「扶養に入れる」には、税金の扶養(扶養控除)と健康保険の扶養(被扶養者)の2種類があり、条件も手続きも別々です。税の扶養控除は、生計を一にする親の合計所得金額が2026年分なら62万円以下で、70歳以上なら控除額は48万円(同居なら58万円)です。健康保険の扶養は、親の年収が60歳以上なら180万円未満などが目安ですが、75歳以上の親は後期高齢者医療制度に入るため、健康保険の扶養には入れません。

情報確認日:2026年10月8日。所得要件は税制改正で変わります。健康保険の認定基準は加入している健保組合ごとに細部が異なるため、勤務先・保険者に確認してください。

手続きの前に用意するもの

  • 親の年金額が分かる書類(年金振込通知書、公的年金等の源泉徴収票)
  • 親にほかの収入(パート、家賃収入など)があれば、その金額が分かる書類
  • 仕送りをしている場合は、振込の記録
  • 親の年齢、住所(同居か別居か)、加入している医療保険の種類
  • 自分の勤務先の健康保険の扶養認定の案内

1. 税の扶養と健康保険の扶養のどちらを考えるか整理する

税の扶養(扶養控除)健康保険の扶養(被扶養者)
効果子の所得税・住民税が下がる親が保険料を払わずに子の健康保険に入れる
収入の基準親の合計所得金額(年金は控除後の所得)親の今後1年間の収入見込み(年金は額面)
同居不要(生計を一にしていればよい)。同居なら控除額が上がる父母は不要(別居なら仕送り額などの条件あり)
年齢上限なし75歳以上は不可(後期高齢者医療に加入)
手続き年末調整・確定申告勤務先経由で保険者へ届出

片方だけ当てはまることもよくあります。たとえば78歳の親は、税の扶養控除は受けられても、健康保険の扶養には入れません。

ここまでの完了目安:自分の家で検討するのが税・健康保険のどちらか(両方か)が決まった。

2. 税の扶養控除の条件に当てはまるか確認する

扶養控除の対象になるのは、次の条件をすべて満たす親です。

  • 子と生計を一にしている(別居でも、仕送りで生活費を支えているなどの場合を含む)
  • その年の合計所得金額が、2025年分は58万円以下、2026年分以後は62万円以下
  • ほかの人の扶養親族や、青色申告の事業専従者になっていない

収入が公的年金だけの65歳以上の親なら、年金収入から公的年金等控除(最低110万円)を引いた額が所得です。2026年分では、年金収入がおおむね172万円以下なら所得62万円以下になります。

その年の12月31日時点で70歳以上の親は「老人扶養親族」で、控除額は48万円です。子または子の配偶者と常に同居している場合は「同居老親等」として58万円になります。老人ホームに入っている親は、同居老親等には当たりません。

ここまでの完了目安:親の所得と年齢から、扶養控除の対象か、控除額はいくらかが分かった。

3. 年末調整か確定申告で扶養控除を申告する

会社員なら、勤務先に「扶養控除等(異動)申告書」を出し、年末調整で控除を受けます。年の途中で条件を満たすようになったら、年末調整までに申告書を出し直します。

年末調整に間に合わなかった、親が条件を満たすことに後で気づいた、という場合は確定申告で控除を受けられます。過去の年分も、原則5年以内なら還付申告や更正の請求ができます。きょうだいで同じ親を二重に扶養に入れることはできないため、誰が申告するか決めておきましょう。

ここまでの完了目安:扶養控除を申告する人と方法(年末調整・確定申告)が決まり、手続きを済ませた。

4. 健康保険の扶養に入れる年齢・収入か確認する

会社の健康保険の被扶養者になれる親の主な条件は、次のとおりです(協会けんぽの例)。

  • 75歳未満で、ほかの健康保険(後期高齢者医療を含む)に入っていない
  • 主に子の収入で生活している(父母は同居でなくてもよい。配偶者の父母は同居が必要)
  • 年収(今後1年間の見込み)が60歳以上なら180万円未満
  • 同居なら、親の年収が子の年収の2分の1未満。別居なら、親の年収が子からの仕送り額より少ない

年金は税金と違い、控除前の額面で判定します。遺族年金や障害年金など、税金がかからない年金も収入に含まれます。

ここまでの完了目安:親の年齢・収入・仕送り額から、被扶養者になれそうか見通しが立った。

5. 勤務先を通じて被扶養者の届出をする

被扶養者の届出は、勤務先の人事・総務を通して出します。親の収入を証明する書類(年金の通知書など)、別居なら仕送りの振込記録などを求められます。

「別居している〇歳の母を健康保険の扶養に入れたいです。母の収入は年金のみで年〇万円、私から毎月〇万円を振り込んでいます。必要な書類と提出期限を教えてください」

親が国民健康保険から子の健康保険に移ったら、親の住所地の市区町村で国民健康保険の脱退の届出をします。届出を忘れると、国保の保険料がかかり続けます。

ここまでの完了目安:被扶養者として認定され、国民健康保険の脱退手続きも済ませた。

6. 毎年、収入と状況の変化を見直す

健康保険の保険者は、毎年、被扶養者の資格を確認しています。年金額が増えた、仕送りをやめた、親が75歳になったなど、条件を外れたら届け出ます。75歳になると親は自動的に後期高齢者医療に移り、子の健康保険の扶養からは外れます。

65歳以上の親の介護保険料は、扶養に入っても親本人に請求されます。扶養に入れた後も、親の介護保険料の支払い方法は別に管理しておきましょう。

ここまでの完了目安:次の見直し時期と、外れるタイミング(75歳など)を家族で共有した。

計算の例(2026年分)

例税の扶養控除健康保険の扶養
76歳の母、年金のみ年160万円、子と同居所得50万円で対象。同居老親等として58万円の控除75歳以上のため不可(後期高齢者医療)
76歳の母、同じ条件で老人ホームに入所中、子が費用を負担生計を一にしていれば対象。控除額は48万円不可
68歳の父、年金のみ年170万円、子(年収500万円)と同居所得60万円で対象。70歳未満のため一般の扶養親族として38万円年収180万円未満かつ子の年収の2分の1未満のため、認定される見込み

年金以外にパートや家賃収入がある場合は、それぞれの所得を合計して判定します。健康保険は、今後1年間の収入見込みで判断するため、前年の実績だけでは決まりません。

住民税の扶養はいつから変わるか

所得税の扶養控除は、その年(1〜12月)の所得で判定します。住民税は前年の所得で計算するため、2026年分の所得要件の引上げは、住民税では2027年度分から反映されます。年金受給者の親が新たに扶養の対象になった場合、年金からの源泉徴収で反映されず、確定申告が必要になることもあります。

よくある質問

親を扶養に入れると、親の医療費や介護費の負担は上がりますか?

税の扶養に入れるだけなら、親の医療費・介護費の自己負担割合は変わりません。ただし、親と同じ世帯の子の所得が高い場合、世帯単位で判定する軽減制度に影響することはあります。

きょうだいで仕送りをしています。誰の扶養にできますか?

税の扶養控除は一人しか受けられません。健康保険も、主に生計を支えている人の扶養になります。仕送り額の多い人が手続きをするのが一般的です。

障害者控除と一緒に使えますか?

使えます。扶養している親が要介護で、市区町村の「障害者控除対象者認定書」を受けている場合などは、扶養控除に加えて障害者控除(特別障害者なら同居で75万円)を受けられます。

あわせて確認したい手続き

出典・確認先

あわせて確認したい手続き(政経プラスの姉妹サイト)

ほかの記事を探す
ホームで目的から探す →
タイトルとURLをコピーしました