デイサービスとデイケアの違い|対象者・リハビリ・費用の比較表

Featured image 207 145b5e812081c376b2928885495921bc.png 施設・在宅介護

親に通所サービスを勧められたものの、「デイサービス」と「デイケア」のどちらを選ぶべきか分からない。名前は似ていますが、中心となる役割は違います。

デイサービスは、食事・入浴・交流・日常生活上の介護と機能訓練を組み合わせ、在宅生活を支えるサービスです。デイケアは、医師の関与のもとで専門職によるリハビリテーションを行い、心身機能の維持回復や生活の自立を目指します。

この記事では、対象者、職員、リハビリ、利用時間、費用、申込方法を比較し、見学や体験利用で家族が確認したい項目を整理します。

最初に生活支援とリハビリのどちらを優先するか決める

選ぶときは施設名よりも、通う目的を一つずつ確認します。

  • デイサービス(通所介護):入浴、食事、排せつ、交流、日中の見守り、家族の介護負担軽減を中心に考える
  • デイケア(通所リハビリテーション):退院後の機能回復、歩行、着替え、食事、発声など、具体的な生活動作の改善を中心に考える

ただし、「デイサービスではリハビリをしない」「デイケアでは入浴や食事を提供しない」という分け方は正確ではありません。デイサービスでも機能訓練を行う事業所があり、デイケアでも入浴や食事を提供する事業所があります。名称だけで決めず、実際の提供内容と職員体制を確認します。

デイサービスとデイケアの違いを比較表で確認する

比較項目デイサービスデイケア
介護保険上の名称通所介護通所リハビリテーション
中心の目的在宅生活の継続、孤立の解消、心身機能の維持、家族負担の軽減心身機能の維持回復、日常生活の自立に向けたリハビリ
主な場所デイサービスセンターなど病院、診療所、介護老人保健施設など
主な対象要介護1~5要支援1・2、要介護1~5
専門職生活相談員、介護職員、看護職員、機能訓練指導員など医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、介護職員など
リハビリ・訓練生活機能の維持向上を目指す機能訓練医師の関与と計画に基づくリハビリテーション
入浴・食事提供する事業所が多いが内容は個別確認事業所により提供の有無が異なる
利用時間半日・一日型など事業所ごとに異なる短時間集中型から一日型まで事業所ごとに異なる
相談先ケアマネジャー、地域包括支援センターケアマネジャー、地域包括支援センター、主治医

同じ「一日通う施設」でも、事業所ごとの差は大きくあります。個別リハビリの時間、入浴設備、食事、送迎範囲、認知症への対応を候補ごとに比べてください。

デイサービスは日中の生活と介護を支える

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、通所介護の目的として、自宅で自立した生活を続けること、社会的孤立感の解消、心身機能の維持、家族の介護負担軽減を挙げています。

一般的な一日の例は、送迎、健康確認、入浴、食事、機能訓練、レクリエーション、帰宅です。ただし、すべての事業所が同じ内容を提供するわけではありません。入浴がない短時間型、運動に力を入れる事業所、認知症の人を少人数で支援する事業所などがあります。

  • 一人で入浴するのが難しくなった
  • 昼間に一人で過ごす時間が長い
  • 食事量や水分摂取を見守ってほしい
  • 家族が仕事や休息の時間を確保したい
  • 外出や人との会話の機会を増やしたい
  • 運動や生活動作を続け、今の状態を保ちたい

このような困りごとが中心なら、まずデイサービスを候補にします。本人が集団活動を好まない場合は、静かに過ごせる場所や個別活動の選択肢も確認します。

デイケアは生活上の目標に向けてリハビリを行う

デイケアは、介護老人保健施設、病院、診療所などに通い、心身機能の維持回復と日常生活の自立に向けたリハビリテーションを受けるサービスです。

「筋力をつける」という抽象的な目標だけでなく、「玄関の段差を越える」「一人でトイレへ移動する」「食事中にむせにくくする」「家族と会話しやすくする」など、暮らしの場面に結びつけて計画します。

  • 退院後も継続してリハビリが必要
  • 転倒後に歩行や立ち上がりが不安定になった
  • 脳卒中などの後遺症がある
  • 関節や筋力の低下で着替え、入浴、トイレが難しい
  • 飲み込みや発声に課題がある
  • 福祉用具や自宅での動作方法を専門職と検討したい

リハビリ職の配置は事業所によって異なります。理学療法士だけの事業所もあれば、作業療法士や言語聴覚士がいる事業所もあります。本人の課題に合う職種が、希望する曜日に担当できるかを確認してください。

要支援と要介護では利用できるサービス区分が違う

介護保険上の通所介護は、要介護1~5の人が対象です。厚生労働省の案内では、要支援1・2の人は通所介護を利用できないとされています。

ただし、要支援の人が通うサービス自体がなくなるわけではありません。市区町村の介護予防・日常生活支援総合事業による通所型サービスなどを利用できる場合があります。一般にはそれらも「デイサービス」と呼ばれるため、契約書では正式なサービス名を確認します。

介護予防通所リハビリテーションは、要支援1・2の人も対象です。要介護1~5の人は通所リハビリテーションを利用します。認定区分がまだ決まっていない場合は、先に要介護認定の申請方法を確認してください。

機能訓練とリハビリは担当者と計画の作り方が違う

デイサービスの機能訓練は、歩行、立ち上がり、体操、生活動作などを通じて、本人の生活機能を維持・向上させます。機能訓練指導員には、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師などが就く場合があります。事業所に「リハビリ特化型」と書かれていても、どの資格の職員が、どの頻度で個別に関わるかは別に確認します。

デイケアでは、医師の関与のもとでリハビリテーション計画を作り、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが訓練や助言を行います。主治医や退院元の医療機関から、病状、禁止事項、入院中のリハビリ内容を引き継ぐことも欠かせません。

本人の目標・困りごと先に検討する候補確認すること
安全に入浴し、昼食を取って日中を過ごしたいデイサービス入浴方法、食事形態、見守り体制
退院後に歩行訓練を続けたいデイケア担当職種、個別リハビリの時間と頻度
認知症があり集団で落ち着かない認知症対応型通所介護など定員、環境、対応経験、送迎範囲
短時間で運動を続けたい短時間型のデイサービスまたはデイケア入浴・食事の有無、運動内容
家族が一日仕事へ行く間の見守りが必要一日型のデイサービス利用時間、延長、急変時対応
飲み込みや言葉の訓練を受けたいデイケア言語聴覚士の配置と評価内容

医療面は看護職の有無だけで判断しない

デイケアは病院や診療所などが提供し、医師が関与しますが、通所中にどの医療処置でも受けられるわけではありません。デイサービスにも看護職員が配置される場合がありますが、毎日・全時間帯にいるとは限りません。

インスリン注射、たんの吸引、経管栄養、在宅酸素、人工肛門、褥瘡処置などが必要な場合は、処置名だけでなく実施時刻、頻度、本人が自分でできる範囲を伝えます。受入可否は、本人の状態、主治医の指示、職員配置、送迎時間によって変わります。

  • 利用中に看護職員がいる時間
  • 服薬の預かり方と飲み忘れ時の対応
  • 血圧、体温、血糖値などの確認範囲
  • 発熱、転倒、意識低下があった場合の連絡順
  • 協力医療機関と救急搬送の基準
  • 休んだほうがよい体調の基準

利用時間は営業時間ではなく実際の提供時間を見る

事業所の営業時間と、本人がサービスを受ける時間は同じとは限りません。午前・午後の短時間型、6~7時間程度の一日型、延長に対応する事業所などがあります。

送迎時刻も重要です。「9時開始」と書かれていても、複数の利用者を迎えるため自宅を出る時刻が早くなることがあります。帰宅時刻、家族が不在の場合の引き渡し方法、玄関内までの介助、車いす対応を確認します。

デイケアには、1~2時間の短時間型と、食事や入浴を含む長時間型があります。短時間型は集中して運動しやすい反面、日中の見守りや家族の休息時間を確保する目的には合わない場合があります。

費用は基本料金と食費・加算を分けて確認する

介護保険の自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある人は2割または3割です。基本料金は、要介護度、利用時間、事業所規模、地域区分などで変わり、入浴、個別機能訓練、リハビリ体制、送迎の状況などによって加算・減算があります。

厚生労働省の公表ページに掲載されている1割負担の例では、通常規模の通所介護を7時間以上8時間未満利用した場合は1回658~1,148円、通常規模の通所リハビリテーションを6時間以上7時間未満利用した場合は1回715~1,290円です。いずれも要介護1~5の基本部分の目安で、実際の請求額とは一致しないことがあります。

費用項目確認内容介護保険の扱い
基本サービス費要介護度、時間、事業所規模自己負担1~3割
入浴・機能訓練・リハビリ等算定する加算と金額自己負担1~3割
食事・おやつ1回の金額、欠席時の扱い原則として全額自己負担
おむつ・日用品持参か購入か内容により実費
キャンセル料連絡期限、食事代の負担契約内容による
通常地域外の送迎対象地域と追加料金契約内容による

月額は「一回いくら」だけでは決まりません。週の利用回数、食費、加算、ほかの介護サービスとの組合せをケアプランで試算します。自己負担が高くなる場合は、高額介護サービス費の上限と申請方法も確認してください。

医療費控除はデイサービスとデイケアで条件が異なる

通所サービスの支払いは、すべて同じ条件で医療費控除に使えるわけではありません。国税庁は、通所リハビリテーションを医療系サービス、通所介護を一定の条件で対象になる福祉系サービスとして区分しています。

利用するサービス医療費控除を確認するときのポイント
デイケア(通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーション)ケアプランに基づくサービスの自己負担額は対象になります。領収書に記載された対象額を確認します
デイサービス(通所介護など)訪問看護や通所リハビリテーションなどの医療系サービスと併せて利用する場合に対象になります
デイサービスだけを利用する場合通常のサービス費は原則として対象外です。ただし、介護福祉士等による喀痰吸引等の対価には別の扱いがあります

「医療系サービスと併せて利用」とは、同じ日に利用することではありません。国税庁は、1か月単位のケアプランに医療系サービスが位置付けられているかを、サービス利用票で確認するとしています。病院への通院があるだけで判断せず、ケアマネジャーへ利用票を確認してください。

家族が保管するのは、サービス利用票、事業所の領収書、高額介護サービス費の払戻額が分かる通知です。請求総額をそのまま転記せず、領収書の医療費控除対象額と、その費用に対応する払戻額を分けて集計します。対象額が分からないときは事業所へ確認してください。

医療費控除は支払額がそのまま戻る制度ではなく、所得から一定額を差し引く仕組みです。申告時の確認順は「介護費用は医療費控除の対象になるか」でも整理しています。

根拠:国税庁「医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」

追記部分の確認日:2026年8月31日。申告する年の取扱いと個別の対象額は、事業所・税務署等で確認してください。

利用開始はケアマネジャーと目的を決めて進める

要介護1~5の人は、担当ケアマネジャーへ相談します。要支援1・2の人は、地域包括支援センターや介護予防支援の担当者へ相談します。デイケアを希望するときは、主治医にもリハビリの必要性、病状、運動上の注意を確認します。

  1. 本人と家族の困りごと、利用目的を整理する
  2. ケアマネジャー等へ希望曜日、時間、送迎条件を伝える
  3. 候補事業所の空き、受入条件、費用を確認する
  4. 見学または体験利用をする
  5. 主治医の情報や必要書類を準備する
  6. ケアプランと通所介護計画・リハビリテーション計画を確認する
  7. 契約後、利用開始日と送迎方法を決める

空きがある事業所が本人に合うとは限りません。候補を一か所に絞らず、ケアマネジャーへ「入浴を優先」「言語聴覚士が必要」「水曜の一日利用」など外せない条件を伝えます。

本人が嫌がるときは拒否の理由を分けて考える

「デイには行きたくない」という言葉だけで、通所サービスが合わないと決めないでください。知らない場所への不安、集団活動への抵抗、入浴を見られたくない気持ち、送迎車への苦手意識、長時間の疲れなど、理由によって調整方法が変わります。

  • 短時間の体験から始める
  • 本人が興味を持つ活動がある曜日を選ぶ
  • 少人数または静かな環境の事業所を探す
  • 入浴なし、食事なしなど負担を減らす
  • 家族と一緒に見学して職員を紹介してもらう
  • 「家族のため」ではなく本人が困っている動作から目標を決める

認知症があり新しい予定を理解しにくい場合は、迎えに来る人、持ち物、出発前の声かけを毎回そろえると不安が減ることがあります。無理に連れ出す前に、ケアマネジャーと事業所へ本人の生活歴や苦手なことを伝えます。

見学と体験利用では一日の過ごし方まで確認する

建物の新しさや運動機器の数だけでは、本人に合うか判断できません。職員が利用者へどう声をかけているか、待ち時間をどう過ごすか、希望しない活動を断れるかを見ます。

  • 送迎車への乗り降りを安全に介助しているか
  • 玄関から自宅内までの介助に対応するか
  • 席が固定されるか、落ち着ける場所があるか
  • 入浴は個浴・大浴場・機械浴のどれか
  • 食事形態やアレルギーへ対応できるか
  • 個別訓練と集団体操の時間を分けて説明できるか
  • 担当する専門職と一回の関与時間はどの程度か
  • 休憩用ベッドや静養室を使えるか
  • 認知症による帰宅願望や不穏への対応経験があるか
  • 利用中の様子を家族へどう報告するか

体験利用が有料か、食費や送迎費がかかるかも先に確認します。体験後は「楽しかったか」だけでなく、帰宅後の疲労、食事量、夜の睡眠、翌日の痛みや意欲も記録してください。

契約後も目標と利用内容を見直す

一度選んだ事業所をずっと利用しなければならないわけではありません。本人の状態や家族の生活が変われば、曜日、回数、時間、事業所の変更をケアマネジャーへ相談できます。

デイケアで目標を達成した後、地域の活動やデイサービスへ移る場合もあります。反対に、デイサービス利用中に身体機能が低下し、医師と相談してデイケアを検討することもあります。二つのサービスを組み合わせられるかは、本人の必要性、ケアプラン、支給限度額、事業所の空きなどで判断します。

家族の休息や仕事との両立が主な課題なら、日帰りサービスだけでなく、ショートステイの費用と予約方法も選択肢になります。自宅での介助が不足している場合は、訪問介護で頼めること・頼めないことと組み合わせて考えます。

デイサービス・デイケアを選ぶ確認表

  • 要介護度と認定有効期間を確認した
  • 介護保険負担割合証を確認した
  • 通所で解決したい困りごとを書き出した
  • 本人が希望することと嫌がることを聞いた
  • 生活支援とリハビリのどちらを優先するか決めた
  • 主治医へ運動上の注意を確認した
  • 必要な医療処置と実施時刻を整理した
  • 希望する曜日と利用時間を決めた
  • 送迎範囲と自宅到着時刻を確認した
  • 玄関内介助と鍵の扱いを確認した
  • 入浴設備と介助方法を確認した
  • 食事形態、アレルギー、食費を確認した
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の配置を確認した
  • 個別訓練の内容、時間、頻度を確認した
  • 看護職員がいる曜日と時間を確認した
  • 認知症への対応方法を確認した
  • 休憩場所と体調不良時の対応を確認した
  • 基本料金、加算、実費の見積りを受け取った
  • キャンセル料と連絡期限を確認した
  • 見学または体験利用をした
  • 帰宅後の疲労や睡眠を記録する方法を決めた
  • 利用内容を見直す時期をケアマネジャーと決めた

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参考にした公的情報

本記事は2026年8月24日時点の公的情報をもとに、通所介護と通所リハビリテーションの一般的な違いを整理したものです。対象者、職員配置、利用時間、受けられる医療的ケア、料金、総合事業の内容は自治体と事業所によって異なります。契約前に、ケアマネジャー、地域包括支援センター、主治医、希望する事業所へご確認ください。

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