親が亡くなった後の電気・ガス・水道は、家が空くからといって同じ日にすべて止める必要はありません。家族が住み続けるなら名義変更、空き家にするなら使用停止が基本ですが、片付け、冷蔵庫、照明、給湯、漏水確認などに必要な期間を先に決めます。
手続きでは、お客さま番号、使用場所、停止希望日、最終料金の支払方法、連絡先を確認します。故人名義の口座やクレジットカードが使えなくなると最終料金を引き落とせないことがあるため、請求先も同時に変更します。
この記事では、電気・ガス・水道を止める順番、名義変更と新規契約の違い、必要情報、立会い、最終精算、空き家で残す設備まで整理します。受付方法は地域と事業者、料金プランによって異なるため、2026年8月時点の公式案内を基に、実際の契約先へ確認してください。
- 最初に「使い続けるか・止めるか」を決める
- 請求書から契約先とお客さま番号を探す
- 空き家でも電気・水道をすぐ止めない場合がある
- 止める順番はガス・電気・水道で分ける
- 電気は名義変更か契約終了を選ぶ
- ガスは閉栓作業と立会いの有無を確認する
- 水道は自治体・水道事業者へ使用中止を届ける
- 名義変更と新規契約は同じではない
- 連絡前に必要な情報をまとめる
- 最終料金の請求先と支払期限を記録する
- 口座凍結・カード停止の前後で支払方法を確認する
- セット契約・取次契約を見落とさない
- 設備の凍結・漏水・通電状態を確認する
- 賃貸住宅・マンションは管理会社にも連絡する
- 停止後は元栓・ブレーカー・郵便物を確認する
- 公共料金手続きチェックリスト
- よくある質問
- まとめ
最初に「使い続けるか・止めるか」を決める
| 家の状況 | 基本の手続き | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 同居家族が住み続ける | 名義・支払方法変更 | 未払い料金の引継ぎ |
| 別の家族が住む | 旧契約終了・新規契約を検討 | 開始日と契約プラン |
| 片付け後に空き家 | 必要期間だけ継続後に停止 | 冷蔵庫、照明、給湯 |
| 売却・賃貸予定 | 引渡日と停止日を調整 | 仲介会社・買主との分担 |
| 長期保有する空き家 | 設備ごとに継続・停止を判断 | 凍結、漏水、防犯、換気 |
死亡直後の手続きをまとめる場合は、親が亡くなったときの手続き期限一覧に、電気・ガス・水道の契約先と連絡日を追加します。実家を空ける予定なら、親の家が空き家になるときの手続きも併せて確認してください。
請求書から契約先とお客さま番号を探す
電気やガスは自由化後、地域の旧一般電気事業者・都市ガス会社とは別の小売会社と契約していることがあります。メーターや設備の会社名だけで判断せず、紙の検針票、請求メール、通帳、クレジットカード明細から実際の請求元を確認します。
- 契約者名と使用場所の住所
- お客さま番号・契約番号・供給地点特定番号
- 現在の料金プランと支払方法
- 最後に確認できる請求月と金額
- 電気・ガスのセット契約や取次契約
- 水道の自治体・水道事業者名
請求書が見つからない場合は、口座やカードの明細に記載された収納企業名を控えます。亡くなった親のカード手続きは、クレジットカードの解約・残債・継続課金で整理できます。
空き家でも電気・水道をすぐ止めない場合がある
遺品整理や清掃には、照明、掃除機、エアコン、水道が必要です。冷蔵庫の中身を処分する前に電気を止めると、食品が傷み、清掃の負担が増えます。電動シャッター、給湯器、警報器、排水ポンプなどが電源を使う家もあります。
一方、誰も使わない期間が長いのに契約を残すと、基本料金や使用量に応じた料金が続きます。「何となく残す」のではなく、片付け日、訪問予定、売却・賃貸の予定をカレンダーに入れ、見直す日を決めてください。
止める順番はガス・電気・水道で分ける
| 設備 | 止める時期の目安 | 残す理由 |
|---|---|---|
| ガス | 調理・給湯が不要になった後 | 清掃時の給湯 |
| 電気 | 冷蔵庫・照明・清掃が不要になった後 | 防犯設備、凍結防止、換気 |
| 水道 | 清掃・トイレ・庭管理が終わった後 | 清掃、通水、庭の水やり |
この順番は一般的な考え方で、家の設備によって変わります。電気を止めると給湯器の凍結防止機能が動かなくなることがあり、水道を止めても宅内配管に水が残ります。寒冷地や長期不在では、管理会社、水道事業者、設備業者へ水抜き方法を確認します。
電気は名義変更か契約終了を選ぶ
家族が同じ家で使い続けるなら、契約者名義と支払方法の変更を相談します。東京電力エナジーパートナーの名義変更案内では、契約者死亡による承継を電話で受け付け、名義変更後の人が現在請求中の支払いも引き継ぐとしています。
未払い料金などを引き継がずに契約者を変えたい場合は、旧契約を終了し、新しい名義で開始する方法を確認します。停止日と開始日に空白ができると電気が使えなくなる可能性があるため、住み続ける家では同じ日程で調整してください。
ガスは閉栓作業と立会いの有無を確認する
東京ガスの契約者が死亡した場合の案内では、今後使用しない場合は使用停止、引き続き使う場合は名義変更を行うよう案内しています。電気とガスをまとめて契約していても、受付方法が同じとは限りません。
ガスメーターが屋外にあり作業員が入れる場合は、停止時の立会いが不要なことがあります。オートロック内や屋内にメーターがある場合、料金を現地精算する場合などは立会いを求められることがあります。東京ガスのガス・電気の解約案内も、停止希望日と訪問時間帯などを確認事項に挙げています。
水道は自治体・水道事業者へ使用中止を届ける
水道は市区町村や広域の水道事業者が窓口です。東京都水道局の使用開始・中止の手続き案内では、アプリなどから使用中止を申し込めます。地域によって電話、Web、申込書など方法が違います。
家族が使い続ける場合は名義と請求先を変更します。東京都水道局の各種変更手続きのFAQでは、使用者名義や請求書送付先の変更窓口を案内しています。使用量が少なくても、中止手続きをしない間は料金が発生し得るため、空き家にする日程を伝えてください。
名義変更と新規契約は同じではない
名義変更は、旧契約の契約期間、料金プラン、未払い料金などの権利義務を新しい契約者が引き継ぐ場合があります。東京ガスの契約者名義変更の案内でも、同居家族への変更で債権債務を引き継ぐ場合と、いったん終了して新規契約にする場合を分けています。
「名前だけ変えればよい」と考えず、未払い額、預り金、料金プラン、割引、解約金の有無を確認します。資源エネルギー庁の電気・ガス契約の注意点も、契約期間、料金、解約時の制約や手数料を確認するよう案内しています。
相続放棄を検討している場合は、故人の未払い料金を自分が引き継ぐと約束する前に専門家へ相談します。死亡の連絡や供給の安全確保と、債務を承継する判断は分けてください。期限と注意点は、相続放棄の3か月期限と必要書類で確認できます。
連絡前に必要な情報をまとめる
| 情報・書類 | 使う場面 | 確認点 |
|---|---|---|
| お客さま番号・契約番号 | 契約の特定 | 検針票・請求書で確認 |
| 使用場所の住所 | メーターの特定 | 建物名・部屋番号まで |
| 契約者の氏名・死亡日 | 死亡の申告 | 書類提出の要否を確認 |
| 手続きする人の情報 | 連絡・本人確認 | 続柄を聞かれる場合あり |
| 停止日・開始日 | 供給日程の調整 | 片付け・引渡日と合わせる |
| 最終料金の請求先 | 精算 | 郵送先と支払方法 |
| メーターの場所 | 閉栓・検針 | 立会いの要否 |
戸籍や死亡診断書が必ず必要とは限りません。電話で受付できる会社もあれば、契約内容や申出人によって確認書類を求める会社もあります。先に窓口へ連絡し、必要な範囲だけ用意してください。
最終料金の請求先と支払期限を記録する
使用停止日までの料金は、最後の検針や日割り計算などで精算されます。停止手続きが終わっても、最終請求が後から届く場合があります。最終使用日、指示数、請求予定日、金額、支払期限、受付番号を契約ごとに記録します。
請求書の郵送先を実家のままにすると、空き家で受け取れません。手続きした家族の住所へ変更し、郵便物の管理者も決めます。領収書や精算書は、遺産から支払った費用の確認に使えるよう保管してください。
口座凍結・カード停止の前後で支払方法を確認する
故人名義の銀行口座が凍結されると、公共料金の口座振替ができなくなることがあります。クレジットカードを解約した場合も同じです。契約を継続するなら、新しい契約者名義の口座・カード・払込票へ変更します。
支払いが止まってから対応すると、督促や供給停止につながる可能性があります。銀行口座の扱いは、親が亡くなった後の銀行口座手続きと合わせて確認してください。
セット契約・取次契約を見落とさない
電気とガス、携帯電話と電気、インターネットとガスなどをまとめている場合、一つの契約変更で割引や請求方法が変わることがあります。請求書に複数サービスが載っているなら、各サービスの継続・停止を一つずつ確認します。
携帯会社や代理店を通じた取次契約は、地域の電力・ガス会社ではなく取次元が窓口になる場合があります。親の携帯電話も同時に整理するなら、携帯電話の解約・名義変更・データ保存を参照してください。
太陽光発電の売電契約は電気の使用停止前に確認する
屋根などに太陽光発電設備がある家では、家庭が電気を買う契約と、余剰電力を電力会社へ売る契約を分けて確認します。検針票、通帳の入金、契約書から、売電先、契約番号、振込先を控えてください。家と設備を相続する人が決まっていない段階では、電気の使用停止だけを先に申し込まず、売電契約の名義変更や振込先変更も同時に相談します。
東京電力エナジーパートナーの2026年8月29日時点の案内では、同社との太陽光発電設備などの売電契約がある場合、電気の使用停止日と同日に売電契約も解約されます。電気を止めても発電設備と売電を残したい場合は、使用停止を申し込む前に、買う側と売る側の両方について死亡後の名義変更方法を確認してください。ほかの電力会社では取扱いが異なります。
設備の凍結・漏水・通電状態を確認する
寒冷地では、給湯器や配管の凍結防止に電気や水抜き作業が必要です。ブレーカーを落とす前に、給湯器、暖房、排水ポンプ、浄化槽、警報器、防犯設備の説明書を確認します。判断できない場合は設備業者へ相談してください。
水道を残す場合も、漏水がないか定期的にメーターを確認します。長期不在中の漏水は発見が遅れやすいため、元栓を閉めるか、管理を依頼するかを水道事業者や管理会社と相談します。
賃貸住宅・マンションは管理会社にも連絡する
賃貸住宅では、電気・ガス・水道とは別に、賃貸借契約の解約、退去立会い、鍵の返却が必要です。水道料金が管理費に含まれている建物や、給湯・暖房が一括契約になっている物件もあります。
マンションでは、オートロック内のメーターへ作業員が入るため、管理会社の協力が必要な場合があります。供給会社へ連絡する前に、管理規約、管理費明細、賃貸借契約書を確認してください。
停止後は元栓・ブレーカー・郵便物を確認する
使用停止日には、冷蔵庫を空にし、給湯器や家電の説明書に沿って処置します。電気を止めても、すべてのブレーカー操作が不要とは限りません。ガスの元栓、水道の元栓も、事業者や設備業者の指示に従います。
停止後も最終請求書、返金通知、確認書が届くことがあります。郵便受けを定期的に確認する人を決め、契約終了が分かる画面や受付メールを保存します。
公共料金手続きチェックリスト
- 電気・ガス・水道の契約先を確認した
- お客さま番号と使用場所を控えた
- 家族が使い続けるか、空き家にするか決めた
- 片付け・引渡しに必要な期間を決めた
- 名義変更で未払い料金を引き継ぐか確認した
- 停止日と必要な立会いを予約した
- 最終料金の請求先と支払方法を変更した
- セット契約と割引への影響を確認した
- 給湯器、配管、ポンプ、防犯設備を確認した
- 管理会社や仲介会社へ連絡した
- 停止受付番号と最終請求書を保管した
- 空き家を定期確認する人を決めた
よくある質問
契約者が亡くなったら公共料金は自動で止まりますか
自動では止まりません。口座やカードから引き落とせなくなっても、契約が自動解約されるとは限りません。使い続けるなら名義・支払方法変更、不要なら使用停止を各事業者へ申し込みます。
空き家なら電気・ガス・水道を全部すぐ止めるべきですか
片付けや清掃、凍結防止、防犯設備のため、一部を残す場合があります。冷蔵庫の処分、給湯器の水抜き、漏水対策を確認し、不要になった設備から停止します。残す場合は見直し日を決めてください。
名義変更だけで未払い料金も引き継ぎますか
事業者や手続き方法によっては引き継ぎます。未払い料金などを引き継がない場合は、旧契約を終了し、新しい名義で契約を開始する方法を案内されることがあります。申し込み前に債権債務の扱いを確認してください。
制度内容の確認日:2026年8月29日。電気・ガス・水道の停止日、立会い、最終料金、名義変更、売電契約の扱いは、地域と契約事業者によって異なります。停止申込みの前に、検針票と請求・入金明細をそろえて各事業者へ確認してください。
まとめ
親が亡くなった後の電気・ガス・水道は、家族が住み続けるなら名義と支払方法を変更し、空き家にするなら片付けや設備管理が終わる時期に合わせて停止します。契約先、お客さま番号、停止日、最終請求先を先にそろえると進めやすくなります。
名義変更では未払い料金などを引き継ぐ場合があります。旧契約終了と新規契約の違いを確認し、電気・ガス・水道を同じ日に一括で止めないことがポイントです。凍結、漏水、防犯設備、セット契約まで確認してから停止します。


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