親が亡くなった後の年金|死亡届・未支給年金・必要書類

Featured image 249 0bc5413fdbaa669440d4691ca8987f25.png 相続・遺言・死後手続き

年金を受けていた親が亡くなったら、年金の停止確認と未支給年金の請求を行います。日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、年金受給権者死亡届を原則省略できます。ただし、死亡届を省略できても、未支給年金が自動的に遺族へ振り込まれるわけではありません。

未支給年金を請求できるのは、亡くなった人と生計を同じくしていた一定の遺族です。配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族の順で、先順位者が請求します。民法上の相続順位とは違うため、「相続人だから請求できる」とは限りません。

この記事では、死亡届が必要か調べる方法、未支給年金の対象月、請求できる遺族、必要書類、5年の時効、遺族年金との違いまで順番に整理します。生計同一や請求順位の説明は、国民年金・厚生年金を基本としています。旧三共済(JR・JT・NTT)・農林共済年金の未支給分には、後述する別の条件があります。親が共済年金を受けていた、別居していた、事実婚の配偶者がいる場合は、提出先と追加書類を年金事務所や共済組合へ確認してください。

最初に年金証書と振込通知書を探す

手続きを始める前に、親が受けていた年金の種類と基礎年金番号を確認します。老齢基礎年金だけでなく、老齢厚生年金、共済年金、障害年金、遺族年金、年金生活者支援給付金などが支給されていることがあります。

  • 年金証書、基礎年金番号通知書
  • 年金振込通知書、年金額改定通知書
  • 公的年金等の源泉徴収票
  • 年金が振り込まれていた通帳
  • 日本年金機構や共済組合からの郵便物
  • 年金生活者支援給付金の通知
  • 勤務先や共済組合の加入記録

年金証書が見つからなくても、氏名、生年月日、住所、死亡日などから年金事務所で確認できる場合があります。亡くなった後の手続きを同時に管理する場合は、親が亡くなったときの手続き期限一覧へ年金の欄を追加してください。

死亡届を省略できるか確認する

日本年金機構に亡くなった人のマイナンバーが収録されている場合、年金受給権者死亡届は原則として省略できます。住民基本台帳ネットワークを通じて死亡情報が確認されるためです。

ただし、すべての人が省略できるとは限りません。マイナンバーの収録状況が分からない、海外居住だった、共済組合だけから年金を受けていたなどの場合は、年金事務所または支給元へ連絡します。死亡届を省略できる場合でも、未支給年金や遺族年金の請求は別に必要です。

死亡届が必要なら10日以内、国民年金は14日以内

日本年金機構の年金受給者が亡くなったときの案内では、死亡届が必要な場合は10日以内、国民年金は14日以内とされています。亡くなった人の年金証書と、戸籍抄本や住民票の除票など死亡を確認できる書類を添付します。

確認すること主な対応提出先
マイナンバー収録済み死亡届は原則省略。未支給年金は別途請求年金事務所へ請求方法を確認
死亡届が必要10日以内。国民年金は14日以内年金事務所・年金相談センター
障害基礎年金・遺族基礎年金のみ死亡届と未支給年金を確認市区町村の国民年金窓口
共済年金のみ支給元ごとの書類を確認該当する共済組合

死亡後に振り込まれた年金をそのまま使わない

死亡情報の反映前に、亡くなった人の口座へ年金が振り込まれることがあります。その全額が遺族のものになるとは限りません。死亡した月分までの年金は未支給年金として請求対象になり得ますが、死亡月より後の分は過払いとして返還を求められる場合があります。

入金があっても現金を引き出さず、振込日と金額を記録して年金事務所へ確認してください。亡くなった人の銀行口座は、年金以外の引き落としや相続手続きも関係します。詳しくは親が亡くなった後の銀行口座手続きで確認できます。

未支給年金は死亡月分までが対象になる

未支給年金とは、年金を受けていた人が死亡した時点で、まだ受け取っていなかった年金や、死亡後に振り込まれた年金のうち死亡月分までの金額です。公的年金は後払いで支給されるため、死亡時点で未払い分が発生することがあります。

たとえば月の途中で亡くなった場合でも、その月分までが支給対象です。ただし、実際の未支給額は、受給していた年金の種類、支払日、停止期間、過去の未払いなどで変わります。通帳の入金額だけで計算せず、日本年金機構や共済組合の決定通知で確認します。

年金生活者支援給付金も同じ届書で確認する

亡くなった親が年金生活者支援給付金を受けていた場合は、年金とあわせて未支払分の手続きを行えます。「未支給年金・未支払給付金請求書・受給権者死亡届(報告書)」は年金と同じ届書のため、支援給付金だけの届書を改めて提出する必要はありません。詳しくは日本年金機構の年金生活者支援給付金を受給している方が亡くなったときを確認してください。

共済年金も受けていた場合は、年金と支援給付金の提出先が異なることがあります。共済組合からの通知と年金生活者支援給付金の通知を持参し、年金事務所または共済組合へ提出先を確認してください。

未支給年金を請求できる遺族には順位がある

日本年金機構の年金を受けている方が亡くなったときでは、死亡当時に亡くなった人と生計を同じくしていた遺族が、次の順位で未支給年金を請求できると案内しています。

順位請求できる遺族確認点
1配偶者事実婚を含む場合がある
2生計同一の確認が必要
3父母先順位者がいないことを確認
4生計同一の確認が必要
5祖父母先順位者がいないことを確認
6兄弟姉妹生計同一の確認が必要
7その他3親等内の親族続柄と生計同一を確認

先順位者がいる場合、後順位者は請求できません。同順位者が複数いる場合は、そのうち1人が代表して請求します。これは遺産分割の代表者を決める手続きとは別です。

旧三共済(JR・JT・NTT)・農林共済年金の未支給分には、上の順位表をそのまま当てはめません。日本年金機構の請求案内(PDF・4ページ)に別の対象条件があり、相続放棄した人は除かれます。同じ親が国民年金・厚生年金と共済年金を受けていた場合も、どの制度の未支給分を請求するのか、支給元ごとに確認してください。

相続人の順位と未支給年金の順位を混同しない

未支給年金は、亡くなった人の預金を相続する手続きではありません。請求者が法律上の相続人であっても、生計同一の要件を満たさなければ請求できない場合があります。一方、事実婚の配偶者など、戸籍上の相続人ではなくても請求対象になる場合があります。

戸籍で続柄を確認する場面はありますが、出生から死亡までの戸籍一式が常に必要という意味ではありません。法定相続情報一覧図を利用できる場合もあるため、法定相続情報一覧図と戸籍集めと年金事務所の必要書類一覧を照合してください。

別居していても生計が同じなら請求できる場合がある

住民票の住所が同じでないという理由だけで、直ちに請求できなくなるわけではありません。仕送り、生活費や医療費の負担、定期的な訪問などから、生計を同じくしていたことを確認できる場合があります。

別住所の場合は、亡くなった人の住民票の除票、請求者の世帯全員の住民票に加え、「生計同一関係に関する申立書」などが必要になります。事実婚の配偶者は、婚姻の意思や共同生活について第三者の証明を求められることがあります。

必要書類は同居・別居・事実婚で変わる

書類確認する内容注意点
死亡届兼未支給年金請求書死亡と未支給年金の請求両面印刷の所定様式
亡くなった人の年金証書受給していた年金紛失時は窓口へ伝える
請求者の本人確認・番号確認書類請求者本人とマイナンバー郵送と窓口で提示方法が異なる
戸籍謄抄本・法定相続情報一覧図亡くなった人との続柄死亡日後に交付されたもの
住民票の除票・世帯全員の住民票生計同一マイナンバーで省略できる場合あり
生計同一関係に関する申立書別住所での生活関係第三者証明が必要な場合あり
請求者名義の通帳等振込先口座公金受取口座なら省略できる場合あり

戸籍謄本と住民票は、亡くなった日より後に交付されたものが必要です。先に大量に取得せず、同居か別居か、配偶者か子か、遺族年金も同時に請求するかを窓口へ伝え、該当する書類だけを確認してください。

提出先は年金事務所を基本に確認する

未支給年金請求書は、年金事務所へ郵送できます。対面相談を希望する場合は、予約のうえ年金事務所または街角の年金相談センターへ提出します。日本年金機構の案内では、所定の請求書を添付するe-Gov電子申請も可能です。

障害基礎年金や遺族基礎年金だけを受けていた場合は市区町村窓口、一定の共済年金は共済組合が提出先になることがあります。親の年金振込通知書に記載された支給元を確認してください。

未支給年金は原則5年で時効になる

日本年金機構の年金の時効では、未支給年金の時効期間は5年、起算日は受給権者の年金支払日の翌月初日とされています。死亡一時金は2年であり、同じ「死亡後にもらえる年金関係のお金」でも期限が違います。

5年あるから急がなくてよいわけではありません。年金証書や通帳、戸籍、生計同一の証拠は時間が経つほど集めにくくなります。年金の過払いを防ぐためにも、死亡後できるだけ早く支給元へ連絡してください。

未支給年金は相続税ではなく受取人の一時所得

国税庁の未支給の国民年金に係る相続税の課税関係では、未支給年金は遺族が自分の固有の権利として請求するため、亡くなった人の相続税の課税対象にはならず、受け取った遺族の一時所得になると示されています。

受け取った年の他の一時所得と合算して判定します。日本年金機構は、未支給年金を含む一時所得の合計額が50万円以下であれば確定申告は不要と案内していますが、他の所得や住民税の申告状況によって確認が必要な場合があります。支払通知書を残し、請求者本人の申告として税務署へ確認してください。

亡くなった親の所得を申告する準確定申告とは分けて扱います。親の源泉徴収票や申告期限は亡くなった親の準確定申告と4か月期限で整理しています。

準確定申告用の源泉徴収票を確認する

亡くなった親が老齢年金を受けていた場合は、公的年金等の源泉徴収票が準確定申告の資料になります。見つからなければ、日本年金機構へ準確定申告用源泉徴収票の再交付方法を確認してください。

日本年金機構の公的年金等の源泉徴収票をなくしたときでは、再発行した準確定申告用源泉徴収票は、原則として未支給年金請求者あてに送付すると案内しています。未支給年金請求者がいない場合は、相続人または相続財産清算人が請求できる場合がありますが、関係を確認する書類が必要です。

未支給年金の支払通知書と準確定申告用源泉徴収票は役割が違います。前者は受け取った遺族自身の一時所得、後者は亡くなった親の所得を確認する資料として分けて保管してください。

未支給年金と遺族年金は別の給付

未支給年金は、亡くなった人が死亡月分まで受け取るはずだった年金です。遺族年金は、亡くなった人の年金加入状況や保険料納付要件、遺族の年齢や続柄、生計維持関係などの条件を満たした遺族に、その後支給される年金です。

日本年金機構の遺族年金の案内では、遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、加入状況などによって一方または両方が支給されると説明しています。子のいない配偶者、成人した子、別居の家族などは給付ごとに条件が異なるため、未支給年金の請求と同時に受給可能性を相談してください。

寡婦年金・死亡一時金・共済給付も確認する

亡くなった人の加入歴によっては、遺族基礎年金・遺族厚生年金以外に、寡婦年金、死亡一時金、共済組合の遺族給付などを受けられる場合があります。すべてを同時に受け取れるとは限らず、どれかを選択する場合もあります。

親の年金証書、勤務歴、婚姻関係、子の年齢を伝え、対象となる制度名と請求期限を窓口で書き出してもらいます。生命保険の死亡保険金は公的年金と別手続きです。契約の探し方は親が亡くなった後の生命保険請求を参照してください。

年金手続きチェックリスト

  • 年金証書と振込通知書を探した
  • 受給していた年金と支給元を確認した
  • マイナンバー収録により死亡届を省略できるか確認した
  • 死亡後の振込を使わず金額を記録した
  • 未支給年金があるか確認した
  • 請求できる先順位の遺族を確認した
  • 亡くなった人との生計同一関係を確認した
  • 戸籍・住民票・申立書の必要範囲を確認した
  • 請求者名義の振込口座を用意した
  • 遺族年金・寡婦年金・死亡一時金も相談した
  • 支払通知書を請求者の税務資料として保管した

よくある質問

死亡届を出せば未支給年金も自動で受け取れますか

自動では受け取れません。死亡届を省略できる場合でも、未支給年金を受け取れる遺族は「年金受給権者死亡届兼未支給年金・未支払給付金請求書」などを提出します。請求者の続柄と生計同一関係を確認する書類も必要です。

別居していた子でも請求できますか

別居だけで対象外になるわけではありません。死亡当時に生計を同じくしていたかが確認されます。別住所の場合は、生計同一関係に関する申立書や第三者の証明などが必要になるため、仕送りや生活費負担の記録を用意して年金事務所へ相談してください。

相続放棄をしても未支給年金を請求できますか

国民年金・厚生年金の未支給年金は、相続放棄をしても、続柄・生計同一・請求順位などの要件を満たせば請求できます。遺産を相続するのではなく、一定の遺族が自分の権利として請求するためです。国民年金については、江東区の案内にも相続放棄した遺族が請求できる旨が示されています。

ただし、旧三共済(JR・JT・NTT)・農林共済年金の未支給分は別です。日本年金機構の請求案内では相続放棄した人を対象から除いているため、支給元に年金の種類と相続放棄の状況を伝えて確認してください。

未支給年金を請求できることと、亡くなった人の預金を引き出すことは別です。預金や還付金などを受け取る行為は個別に判断されます。相続放棄を検討中なら、対象となるお金を区別し、相続放棄の3か月期限と注意点を確認したうえで専門家へ相談してください。

制度内容の確認日:2026年8月29日。死亡届の省略、未支給年金、未支払の年金生活者支援給付金、遺族年金の提出先と必要書類は、受給していた年金の種類や共済加入歴によって変わります。年金証書と各種通知をそろえ、年金事務所または支給元へ確認してください。

請求順位の対象制度、相続放棄後の未支給年金請求、旧三共済・農林共済年金の例外は、2026年8月31日に公的資料で確認しました。税務や他の給付を含む本文全体の確認日を更新するものではありません。

まとめ

年金を受けていた親が亡くなったら、年金証書と振込記録を確認し、死亡届が必要か、未支給年金があるかを支給元へ問い合わせます。マイナンバーが収録されていれば死亡届は原則省略できますが、未支給年金の請求は別に必要です。

未支給年金は、亡くなった人と生計を同じくしていた遺族が定められた順位で請求し、原則5年で時効になります。死亡後の振込をそのまま使わず、必要書類と過払いの有無を確認してください。遺族年金や死亡一時金も別に受けられる可能性があるため、未支給年金だけで相談を終えないことが大切です。

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