親が亡くなったときの手続き一覧|期限順チェックリスト

Featured image 224 89c6bb869f7d7c16c43fb736ae79e386.png 相続・遺言・死後手続き

親が亡くなった直後は、葬儀の連絡と並行して、役所、年金、保険、金融機関などへの手続きが始まります。すべてを同じ日に終える必要はありませんが、7日、3か月、4か月、10か月と期限が続くため、最初に全体像をつかむことが大切です。

最優先は死亡診断書を受け取り、死亡届と火葬に必要な手続きを進めることです。その後は、遺言書の確認、財産と借金の調査、年金・保険の届出へ進みます。相続放棄を検討する可能性があるなら、親の預金を引き出したり、財産を処分したりする前に専門家へ相談してください。

この記事では、親が亡くなった後の主な手続きを期限順に整理します。自治体、加入していた制度、家族関係によって必要書類や提出先は変わるため、実際の手続きでは市区町村、年金事務所、税務署、法務局などの案内を確認してください。

親が亡くなった後の期限一覧

時期の目安主な手続き確認先
当日から数日死亡診断書の受取り、家族への連絡、葬儀・火葬の手配病院、医師、葬祭事業者
死亡を知った日から7日以内死亡届の提出市区町村
早めに健康保険・介護保険、年金、介護サービス、公共料金などの確認市区町村、年金事務所、各事業者
遅滞なく自宅保管の遺言書がある場合の検認申立て家庭裁判所
相続開始を知ってから3か月以内相続放棄・限定承認の申述家庭裁判所
相続開始を知った日の翌日から4か月以内必要な場合の準確定申告・納税税務署
通常、死亡を知った日の翌日から10か月以内必要な場合の相続税申告・納税税務署
不動産の相続取得を知った日から3年以内相続登記法務局

表の「早めに」には全国一律の期限がない手続きも含まれます。ただし、届出が遅れると保険料や利用料が請求され続けたり、年金の過払い分を返還することになったりします。期限の有無だけで後回しにせず、請求書や口座振替の履歴から契約先を洗い出します。

最初に死亡診断書と連絡記録を確保する

病院で亡くなった場合は医師から死亡診断書を受け取ります。自宅などで死亡し、死因の確認が必要な場合は死体検案書が交付されることがあります。死亡届の用紙は、死亡診断書または死体検案書と一体になっているのが一般的です。

提出前に、表面と裏面を読み取れる状態でコピーまたは画像を残してください。生命保険、勤務先、共済などの請求で死亡を確認する書類が必要になることがあります。原本や写しの必要部数は提出先によって違うため、葬祭事業者任せにせず、死亡届を誰が、いつ、どこへ出すかを家族で確認します。

親が入院していた場合は、診療費、病室代、レンタル品などの精算も残ります。病院の請求窓口、退院時の荷物、預り金の返還方法を記録してください。入院中から整理しておく項目は、親が緊急入院したときの手続きでも確認できます。

死亡届は死亡を知った日から7日以内

国内で亡くなった場合、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。提出先は、亡くなった人の死亡地・本籍地、または届出人の所在地の市区町村です。手数料はかかりません。法務省の死亡届の案内で提出時期と届出先を確認できます。

火葬許可の申請は死亡届と同時に案内されるのが一般的ですが、自治体によって窓口や受付時間が異なります。夜間・休日に提出する場合は、火葬許可証の交付時期も確認してください。葬祭事業者が提出を代行する場合でも、届出人の氏名や本籍などの記載内容は家族が確認します。

死亡届を出しただけで、年金、銀行、保険、携帯電話、公共料金がすべて自動的に止まるわけではありません。市区町村で「おくやみ窓口」や手続き一覧を用意している場合は、予約方法と必要書類を確認し、まとめて相談します。

手続き担当者と書類保管場所を一つに決める

家族が別々に連絡すると、同じ契約を二重に解約したり、誰も対応していない手続きが残ったりします。代表者を一人決め、他の家族は戸籍の取得、家の確認、金融機関への連絡などを分担します。相続の判断は代表者だけで決めず、法定相続人全員へ情報を共有してください。

保管するもの記録する内容
死亡診断書等の写し原本の提出先、コピーの部数
戸籍・住民票関係取得日、提出先、返却の有無
請求書・領収書葬儀費用、医療費、未払金、支払者
通帳・明細入金、口座振替、借入返済、定期契約
連絡記録日時、窓口、担当者、回答、次の期限
相続財産一覧資産、負債、名義、概算額、資料の所在

紙の書類は一つのファイルへまとめ、スマートフォンで撮影した画像は家族共通のフォルダーへ保存すると確認しやすくなります。ただし、マイナンバーや口座情報を含む資料は、閲覧できる人を必要最小限にしてください。

健康保険・介護保険・年金を確認する

国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険の手続きは市区町村へ確認します。勤務先の健康保険に加入していた場合は勤務先または健康保険組合へ連絡します。資格確認書、保険証として利用していたもの、介護保険被保険者証、負担割合証など、手元にある書類をまとめて窓口へ持参します。

高額療養費、高額介護サービス費、葬祭費・埋葬料など、死亡後に請求できる給付が残る場合があります。制度や申請先によって請求者、必要書類、期限が異なります。「保険証を返して終わり」とせず、未請求の給付と未納の保険料がないかを確認してください。

年金受給者について、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は、年金受給権者死亡届を原則省略できます。ただし、亡くなった月分までの未支給年金を受け取る手続きなどは別に必要です。マイナンバーが収録されていない場合の死亡届は、原則10日以内、国民年金は14日以内と案内されています。日本年金機構の年金を受けている方が亡くなったときで対象者と書類を確認します。

介護サービス、福祉用具、見守り機器、配食などの契約も停止・返却が必要です。福祉用具はレンタル品と購入品を取り違えないよう、契約書と品目を照合します。確認方法は介護保険の福祉用具レンタルと購入の違いを参考にしてください。

遺言書を探し、勝手に開封しない

遺産分割を始める前に、遺言書の有無を確認します。自宅の金庫や重要書類の保管場所だけでなく、公証役場で作成した公正証書遺言、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していないかも調べます。

自宅で封印された遺言書を見つけても、その場で開封しないでください。公正証書遺言と、法務局で保管されていた自筆証書遺言に関する遺言書情報証明書は検認不要ですが、自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所の検認が必要です。裁判所の遺言書の検認で手続きの対象と提出書類を確認してください。

検認は遺言書の状態を確認し、偽造・変造を防ぐための手続きです。遺言書の有効・無効を判断する手続きではありません。内容の解釈や相続人間の対立がある場合は、弁護士などへ相談します。

相続手続きを始める前に、戸籍で相続人を確定します。戸籍を複数の窓口へ提出する場合は、相続の戸籍集めと法定相続情報一覧図も確認してください。

遺言書がなく、複数の相続人で財産の分け方を決める場合は、遺産分割協議書の作り方で押印と記載項目を確認します。

財産と借金を同じ表にして調べる

相続財産は預貯金や不動産だけではありません。銀行口座、株式、投資信託、生命保険、車、貸金庫、未収金、デジタル資産などを確認します。同時に、住宅ローン、カードローン、クレジットカードの残債、事業上の債務、税金、医療費、連帯保証などの負債も調べます。

  • 通帳、キャッシュカード、郵便物、電子メールを確認する
  • 固定資産税の納税通知書から不動産を確認する
  • 証券会社、保険会社、カード会社の書類を探す
  • 毎月の口座振替とクレジットカード明細を12か月程度確認する
  • 借入契約書、督促状、保証契約に関する書類を探す
  • 家族名義に見える財産でも、実際の所有者を資料で確認する
  • 財産の概算額と確認済み資料を一覧にする

借金があるか分からない段階で、親の預金を生活費に使ったり、車や家財を売却したりすると、相続放棄の判断に影響することがあります。何が許される処分かは事情によって異なります。放棄を検討しているときは、財産を動かす前に家庭裁判所の案内を確認し、弁護士や司法書士へ相談してください。

相続放棄は原則3か月以内に判断する

相続放棄は、自己のために相続が始まったことを知ったときから原則3か月以内に、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申述します。家族へ「財産はいらない」と伝えるだけでは、法律上の相続放棄にはなりません。

3か月以内に財産状況を調べても判断材料がそろわない場合は、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられることがあります。期限が過ぎてから慌てないよう、借金の可能性があると分かった時点で相談します。裁判所の相続の放棄の申述と、当サイトの相続放棄の期限・必要書類を確認してください。

先順位の相続人が全員放棄すると、次の順位の親族が相続人になる場合があります。自分の手続きだけで終わりにせず、次順位の親族へどの範囲まで連絡するか、専門家と相談して整理します。

準確定申告は必要な人だけ4か月以内

亡くなった人に確定申告が必要な所得があった場合、相続人などが1月1日から死亡日までの所得と税額を計算して申告します。これが準確定申告です。期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。

年金だけで申告不要だった人、給与所得のみで年末調整済みの人など、準確定申告が不要な場合もあります。一方、個人事業、不動産所得、複数の勤務先、医療費控除による還付などが関係することがあります。前年の確定申告書、源泉徴収票、帳簿、医療費の資料を確認してください。

国税庁の納税者が死亡したときの確定申告と、亡くなった親の準確定申告で期限と提出方法を確認できます。事業や複数の相続人が関わり計算が難しい場合は、早めに税務署または税理士へ相談します。

相続税は基礎控除と10か月期限を確認する

相続税は、すべての相続で申告が必要なわけではありません。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合は、原則として相続税の申告と納税が必要です。

申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。期限までに遺産分割がまとまっていなくても、申告を放置してよいわけではありません。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などは要件があり、分割状況によって手続きも変わります。

国税庁の相続税の申告と納税と、相続税がかかるか確認する方法で期限を確認し、土地、非上場株式、生前贈与、複数の相続人が関係する場合は、財産評価を早めに始めます。「まだ10か月ある」ではなく、3か月の相続放棄判断と並行して財産資料を集めるのが現実的です。

不動産の相続登記は3年以内

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する必要があります。2024年4月1日より前に発生した相続で未登記の不動産も対象です。

相続登記の必要書類と費用は、相続登記のやり方で確認できます。遺産分割協議がまとまらず、期限内に通常の相続登記が難しい場合には、相続人申告登記という制度があります。法務省の相続登記の申請義務化に関するQ&Aで対象と期限を確認し、法務局または司法書士へ相談してください。

親の家を使わない場合でも、登記、火災保険、固定資産税、郵便物、庭木、防犯、近隣連絡を放置できません。売却や解体を急ぐ前に、名義と家財、境界、共有者の有無を確認します。具体的な確認項目は親の家が空き家になるときの手続きにまとめています。

銀行・公共料金・契約サービスは一覧で止める

確認先主な確認内容手元に用意するもの
銀行・信用金庫口座の相続手続き、残高証明、貸金庫、借入通帳、カード、届出印、相続関係書類
証券会社株式・投資信託、特定口座、移管方法取引報告書、口座番号
生命保険・共済死亡保険金、入院給付金、契約者変更保険証券、死亡確認書類
電気・ガス・水道停止または名義変更、最終精算お客さま番号、検針票
電話・インターネット解約、端末返却、違約金、保存データ契約番号、端末、付属品
カード・通販・定期購入未払額、ポイント、継続課金、返品利用明細、会員番号
住宅・施設賃貸借、管理費、退去、原状回復、預り金契約書、鍵、領収書

銀行へ死亡を連絡すると口座の取引が制限され、公共料金などの引落しが止まることがあります。どの支払いを別口座へ切り替えるか確認してから連絡します。葬儀費用や当面の生活費を親の口座から引き出してよいかは、相続人の状況や相続放棄の検討に関わるため、自己判断を避けてください。

スマートフォン、クラウド、SNS、動画・音楽配信、ネット通販などのデジタル契約も残ります。パスワードを推測して本人になりすますのではなく、各社の死亡時手続きやアカウント削除・データ取得の窓口を利用します。

個別の手続きは、電気・ガス・水道の解約と名義変更携帯電話の解約・名義変更・データ保存自動車の名義変更・売却・廃車賃貸住宅の退去・家賃・敷金・遺品遺品整理を始める時期と捨ててはいけない物で確認できます。

期限順チェックリスト

  • □ 死亡診断書または死体検案書を受け取った
  • □ 提出前に死亡診断書等のコピーを残した
  • □ 家族の代表者と役割分担を決めた
  • □ 葬儀・火葬の日時と費用を確認した
  • □ 死亡届を7日以内に提出した
  • □ 火葬許可証と埋葬に必要な書類を保管した
  • □ 市区町村のおくやみ窓口を確認した
  • □ 健康保険・介護保険の手続きを確認した
  • □ 葬祭費・埋葬料などの対象を確認した
  • □ 年金の死亡届が必要か確認した
  • □ 未支給年金・遺族年金の対象を確認した
  • □ 病院・施設の費用と預り金を精算した
  • □ 介護サービスと福祉用具の契約を確認した
  • □ 自宅、公証役場、法務局の遺言書を確認した
  • □ 自宅保管の遺言書を勝手に開封していない
  • □ 相続人を戸籍で確認した
  • □ 預貯金・証券・保険・不動産を一覧にした
  • □ 借入・保証・未払金・税金を一覧にした
  • □ 相続放棄の3か月期限を記録した
  • □ 財産処分前に放棄の可能性を検討した
  • □ 準確定申告が必要か確認した
  • □ 必要なら4か月以内に準確定申告を行う
  • □ 相続税の基礎控除額を計算した
  • □ 必要なら10か月以内に相続税申告・納税を行う
  • □ 不動産の名義と固定資産税資料を確認した
  • □ 相続登記の3年期限を記録した
  • □ 銀行・カード・公共料金・通信契約を一覧にした
  • □ 郵便物の転送・管理方法を決めた
  • □ 家の鍵、防犯、火災保険、近隣連絡を確認した
  • □ すべての申請書・領収書・回答の控えを保管した

よくある質問

Q. 死亡届を出せば、年金や銀行にも自動で伝わりますか?
すべての機関や契約先へ自動連絡されるわけではありません。年金はマイナンバー収録の有無、銀行や保険は各社の手続きによって対応が変わります。個別に確認してください。

Q. 親の口座から葬儀費用を引き出してもよいですか?
相続人間の精算や相続放棄の判断に影響する可能性があります。特に借金があり放棄を考えている場合は、引出しや支払いの前に弁護士などへ相談してください。支払った人、金額、領収書は必ず記録します。

Q. 戸籍は何通用意すればよいですか?
必要な戸籍の範囲と原本還付の扱いは、銀行、裁判所、法務局などで異なります。先に提出先を一覧化し、法定相続情報一覧図を利用できるかも確認すると、同じ戸籍を何度も取得する負担を減らせる場合があります。

Q. 専門家にはいつ相談すればよいですか?
借金や保証が不明、相続人同士で意見が合わない、遺言書の内容に疑問がある、事業や不動産がある、税額の判断が難しい場合は早めに相談します。3か月の相続放棄期限があるため、資料が全部そろうまで待たないことが大切です。

最初の一週間で期限表を作る

親が亡くなった直後に、相続税や登記まですべて終わらせる必要はありません。最初の一週間で死亡届を進め、年金・保険・契約先を洗い出し、3か月、4か月、10か月、3年の期限を一枚の表にします。

財産と借金を同時に調べ、遺言書と相続人を確認してから、相続を受けるか放棄するかを判断します。家族の記憶だけに頼らず、通帳、郵便物、契約書、税金の通知、電子明細を照合してください。手続きの順番が見えるだけでも、「次に何をするのか分からない」という負担はかなり減らせます。

制度内容の確認日:2026年8月29日。死亡後の届出、健康保険、年金、税、相続登記は、亡くなった方の加入制度、住所、財産、相続人の状況で必要書類と窓口が変わります。

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